オシャレカフェで働くことになった童貞(オレ)はどうすればいいですか?〜残念系美少女たちに囲まれる物語〜
RiIght
第1話 プロローグ
4月7日。温かい春の風。六分咲きの桜。俺、麻倉蒼司は少納学院に入学した。その学校では今、生徒やその保護者が行儀良く整列している体育館で入学式が行われていた。
「我が校では社会経験を最重要視しており、全校生徒に必ずバイトをしてもらうことになっています。社会へ出たときに恥をかかない立派な社会人としての生き方を勉学と並行し……」
興味ないね。
それは、校長の話というにはあまりも普通すぎた。平凡で退屈でそして、多分誰も聞いていなかった。
あれ、いきなりこんなこと言って大丈夫かな。まぁでも多分あの壇上で“ありがたいお話”をするのは気持ちがいいのだろう。なんかああいうところで持論を話すのってシコるより快楽物質の分泌量が多いとか聞くし。
あくびを飲みながら行儀良く、目立たず、普通に入学式を終えるのだった。
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入学式が終わると生徒会入会式というのが行われる。何故一緒にやらないのかと思いながら壇上をぼーっとしながら眺めていると生徒会長が上がってきた。新入生たちがそれを見て一瞬ざわついた。
「めっちゃ綺麗じゃね……?」
「あんな美人いるのか、すげぇな……」
感嘆の声。それもそのはず。壇上に上がった人物、この学校の生徒会長は誰もが認めるであろう美人だった。白く透き通るような白い肌に、長くサラサラした髪。浮かべた微笑が似合っている。出で立ちだけでカリスマ性が感じられた。
「新入生のみなさま。おはようございます。わたくしは本校生徒会長、二年生の冬夙 雪と申します。まずは、わたくしたちの学院に入学していただいたことに感謝いたします。そして……」
聞き取りやすくも、見た目に反し可愛らしい声で代表の挨拶を述べていた。だが俺はそこから先の内容は聞いておらず、初めに言ったことをずっと考えていた。
会長、高校二年生って言ったよな。ということは高校一年の時に既に生徒会長の座にいたということか……?どんだけすげぇ人なんだ……。まぁ俺が関わることはなさそうだけどな……。
会長の挨拶が終わると新入生代表の挨拶だった。会長の時と同じく一瞬ざわつく。会長に釣り合うかどうかは男目線の俺ではわからないが、まぁまぁまぁかなりのイケメンだった。
あいつが恐らく入試試験一位のやつか。こういうのは成績トップが大体やってると相場が決まっている。俺は惜しくも2位だった。悔しいけれども代表挨拶なんかやりたくはないから別にいいか。
それが終わるとようやく体育館から開放された。クラスは予め決まっているらしく、廊下に張り出されている表を見て教室に入る。全員が揃うとすぐに担任が入ってきて最初のホームルームが始まったが、バイト先は今週中に全て決定されて張り出されるから確認するように、という内容だけ話し、解散となった。
誰かに話しかけてもいいのだが、初日だし疲れた。後からでいいだろうと思いそのまま帰った。
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