24「おかえりなさい」
数日の道中を経て、レダ・ディクソンとその家族、ティーダ・アムルス・ローデンヴァルト、ボンボ・ボンボ、テックス・ノランドはじめ冒険者たちは、無事にアムルスに戻ってくることができた。
道中、モンスターはテックスたちや、ボンボによって倒され、素材を剥ぎ取られて良い土産となった。
幸い、扱いに困る野盗の類は出なかったので、アムルスには予定よりも早く着くことができた。
レダ以外にも治癒術を使う人間がいることで、怪我人が出てもさくさく進むことができることが大きかったのだろう。
「やーっと、帰ってきたわねぇ」
うーん、と馬車から降りて伸びをするルナは、数日ぶりだが離れていた街並みを懐かしく思っているようだった。
「さてと、荷下ろしをしようかしら」
ルナたちはもちろん、ティーダも荷物は最低限なので手伝いを借りることなく馬車から取り出すことができた。
貴族の中には不必要な荷物を馬車いっぱいに詰め込む者もいるが、少なくともティーダはそのような効率の悪いことをしない。
「あらあら、ルナちゃんたちじゃないの! 戻ってきてくれたのね!」
「あ、おばさん。こんにちはぁ」
ルナに声をかけたのは、近所に住まい、診療所にもよく顔を出す女性だった。
彼女はディクソン一家を気にかけてくれるご近所さんで、ルナとミナ、ヒルデ、ナオミのことを孫のように可愛がってくれる人だった。
「こんにちは。商人さんから聞いたけど、ユーヴィンは大変だったみたいね」
「大変だったけどぉ、パパたちが頑張ったからちゃんと解決したわよぉ」
「あらあら、さすがレダさんね。ところで、あまり見ない方々がいらっしゃるけれど?」
「あいつらはパパのお弟子さんになる予定の人たちよ」
「まあ! レダさんにお弟子さんが? すごいわねぇ、きっとレダさんは歴史に名を残す治癒士になるんでしょうねぇ」
「大袈裟よぉ」
おばさんがルナと話をしていると、街の人たちが次々とレダたちの帰還を知って、駆け寄ってきてくれる。
「これはこれは、ティーダ様、お疲れ様でした。お疲れでしょう、ささ、荷物をお持ちしましょう」
「ははは、ありがとう。でも、大丈夫だよ」
「レダさん、おかえりなさい!」
「ただいま!」
「よう、テックス! 無事に帰って来れたのなら、今日は宴会だな!」
「もちろん、お前の奢りだぞ!」
ティーダ、レダ、テックスにも声がかけられていく。
「うふふ、パパたちは人気者ね」
「なにを言っているの。ほら」
ルナが苦笑していると、おばさんが指差した。
「え?」
「ルナちゃん、ミナちゃん! おかえりなさい!」
「ヒルデちゃん、寂しかったわ!」
「ヴァレリー様、アストリット様、おかえりなさいませ!」
「ナオミちゃーん、おかえりー!」
すると、そこには見知った人たちが、ルナたちの帰りを喜んでくれていた。
「ここはあなたたちの故郷なんだから」
故郷を持っていないルナにとって、その言葉はすごく嬉しかった。
自然と笑顔が浮かぶ。
「ルナちゃん、おかえりなさい」
「うん。ただいま!」
〜〜あとがき〜〜
帰ってきました!
少しまったり予定です!
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