エピローグ「陛下からの贈り物」
たくさんの魔力と魔術を使ったレダは疲れていたのだろう。
夜中に眠ると、目覚めたのは昼前だった。
慌ててベッドから起き上がり、ティーダの元へ行く。
すると彼は笑った。
「もっとゆっくり寝ていても構わなかったのだが……」
「レダさんのおかげでユーヴィンに怪我人はもういません。病の方は医者が見ていますし、食事は奥様たちがお手伝いしてくださっていますから、大丈夫ですよ」
「ダンジョン攻略はまだ後日となるが、周囲のモンスター駆逐は勇者ナオミを筆頭に実力者が行ってくれている。怪我をしても、ルルウッドたちが対処してくれるので心配ないよ」
ティーダの元にはアマンダもいて、元冒険者ギルド長のベニーの残した資料を精査しているようだった。
「よかった……まさか、こんなに眠るなんて思ってもらず、すみません」
「魔力消費が激しかったのだろう。謝罪などする必要はない。レダがいたからこそ、多くの人々が救われたのだ」
「はい」
どうやらティーダは、もともとレダを起こすつもりはなかったようだ。
魔力を使えは疲労する。
レダのように魔力が大きくてもそれはかわらない。
だが、体力と同じで魔力も大きければ疲れも少なくて済む。
とはいえ、レダはユーヴィンの怪我人のために治癒を続けていたので、疲労が蓄積されているのは周囲の目から見ても明らかだったようだ。
「レダさん、お疲れのところを申し訳ないのですが……少しよろしいですか?」
アマンダに呼ばれ、返事をすると、彼女はテーブルに置かれた無駄に装飾のされている箱の横に立った。
「どうしましたか?」
「実は……国王陛下からレダ様にお預かりしているものがあるます」
「――え? へ、陛下からですか!?」
「はい。義理の息子となったレダさんにぜひ渡したいということです」
「……そういえば、俺って陛下の義理の息子だった」
「忘れていたんですか!?」
「レダ……お前なぁ。いや、今のアストリット様を見ていれば、王女という雰囲気はないので忘れてしまいそうなのはわかるが、本当に忘れてしまうとは」
レダはルナ、ヴァレリー、ヒルデガルダ、アストリットと結婚している。
ルナはエルザに挨拶をし、ヴァレリーに対してはティーダに。
しかし、アストリットの父である国王陛下には挨拶ができていなかった。
もちろん、勝手に結婚などできないので手紙を送り、許可をもらっている。
今回のユーヴィンの件が終われば挨拶に向かう予定だった。
「その辺りは、私からはなんとも言えませんのですが、とりあえずこちらです」
「この箱の中にはなにが?」
「王家に伝わる魔導書の写本です」
「――っ、つまり、陛下はレダに王家に伝わる魔術を授けてくださると言うのか!?」
「そのようです」
愕然としているティーダと、神妙に頷くアマンダを見て、
(なんだか大変なことになった気がする)
と、レダは身震いした。
〜〜あとがき〜〜
レダは新たなステージへ!
次回から新章です!
コミック最新7巻が13日に発売いたしました!
ぜひお読みいただけると嬉しいです! 何卒よろしくお願いいたします!
双葉社がうがうモンスター様HP・アプリにてコミカライズ最新話もお読みいただけますので、よろしくお願いいたします。
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