49「アマンダと再会」②
「お久しぶりです、レダさん! お元気そうでなによりです!」
「……アマンダさんもお元気そうでなによりです」
アマンダ・ロウと数ヶ月ぶりに再会したレダは、彼女と握手を交わした。
アマンダは、かつてレダが冒険者ギルドと領主の助けを借りながら困っている人たちに回復魔法を施していた時に、回復ギルドから苦情を抱えて派遣された。
お世辞にも治癒士の治療費は安くなく、そのことで不満を抱えていた民が、地元の治癒士ではなくレダに集まってしまったことが原因だった。
しかし、アマンダはかつてのレダが所属していた冒険者パーティーのリーダーだったジールによって捕らえられてしまい、ひどい暴行を受けた。
一度は死にかけたものの、レダによって治癒を施されて救われたことをきっかけに、回復ギルドの在り方に疑問を持ち、なんと革命してしまったのだ。
現在、アマンダは回復ギルドのトップとなり、各地の治癒士に治療費をギルドが決めた金額にするように通達し、改善を求めている。
もちろん、今まで高額請求をして良い暮らしをしていた治癒士たちが納得するはずもなく、アマンダの仕事は多いようだ。
「ご活躍なされているようですね、アマンダさん。いえ、ギルド長」
「アマンダと呼んでください。レダさんに救われた命を使い、良き治癒士たちが人々を助けることができる世界に一歩でも近づけるよう頑張っていきたいと思っています」
レダも詳しくないのだが、彼女の活躍は辺境の地にあるアムルスにも届いていて、どうやら王家の力もあったようだと聞いている。
それでも、アマンダの活躍は大きかったようで、若き治癒士の支持や、回復ギルドの所属していない治癒士の応援もあったそうだ。
「あんたも変わったわねぇ。金の亡者どもの味方だったのにぃ」
「……ルナさん。変わりました、と簡単に言うことはできません。以前の私は、治癒士のために働くことを良しとしていました。ですが、それだけは駄目だと思い知らされました。レダさんに助けられたあの日から、私は治癒士と人々のために働くと決めたのです!」
「ふぅん。――頑張ってね」
ルナはそう言い残して背中を向ける。
そんなルナに、「ありがとうございます」とアマンダはお辞儀をした。
〜〜あとがき〜〜
アマンダさんの来た理由は次回にて。
本日、コミカライズ最新話更新です!
コミック1巻から6巻好評発売中ですので、よろしくお願いいたします!
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