救命特殊能力 —少年日記ー  

慶田陽山

自己紹介

俺は今、病院の診察室の前の椅子に座って、待っていた。病院にいる理由は弟が

風邪を引いてしまい、高熱なので、インフルエンザなのかもしれないと思い、俺は弟を病院に連れて行っている。

だから、俺が病院に来ている。それと俺はカバンを三つ、持っている。一つは俺ので、もう一つは弟の。もう一つがある人のだ。その人は俺の恋人だった。彼女は元々体が弱くて、学校にも行けていない。

そういえば、俺の自己紹介がまだだったな。俺は桜川真一。現在、高校3年だ。今は大学受験に忙しい友達はいるが、俺は少し前に推薦試験で専門学校に入学が決まった。だからと言って、のんびりしているわけではない。授業についていけるように今は、予習をしている。俺の自己紹介はこの辺で終わりにしておこう。次に今、隣に座っている弟は

「桜川君、桜川翔祐君。第2診察室にどうぞ」

と看護師に呼ばれたん前こそが弟の名前、桜川翔祐だ。今は中学1年生だ。次に翔祐の逆側の、俺の隣に座っている二つ下の弟桜川慶介、小学2年生。そして俺の膝の上に座っている、末っ子の桜川美亜、4歳だ。

俺と弟たちはぞろぞろと診察室に入った。弟たちはみんないい子だ。きっと俺と同じ血が通っているに違いない。

でも、実際は違う。俺は弟たちのお母さんのおなかから生まれてきてない。俺のお母さんは親父と結婚して、俺を生んですぐに事故で死んでしまった。その事故に俺もいた。お母さんは俺をかばうように死んでいったそうだ。そして、親父はその数年後、別の女と結婚して、弟たちを生んだ。だが、その女は気が荒く、すぐに子供に手を上げる。だから、俺は親父に相談した。だが、親父はその女のかばった。俺はそれに腹が立って、

「いい加減にしろ。あの女をかばうなら、この家から出ていけ。二度と家に帰ってくるな!このクズ親父!」

と言って二人を家を追い出した。もちろん、この家に有った、お金のほとんどを置いてもらい、追い出した。そのおかげで、弟たちの体に傷がつくことはなくなった。弟たちは平和に過ごすことが出来て、俺はよかったと思う。後悔はしていない。むしろ、二人を追い出してよかったと思っている。

その分、俺には負担がものすごくかかる。料理、洗濯、家の掃除などと家事全般俺がやっている。それに弟たちの送り迎え、自分の学校といろいろ大変な毎日になっている。でも、楽しい生活は遅れている。

翔祐は今、長い綿棒を鼻の奥に入れられて、その痛さを我慢していた。

「はい、終わりです。少し待っていてください。すぐに結果が出ますので」

と医師から待つように言われ、俺と弟たちは診察室を出て、また、ソファーに座った。しばらく待っているとまた、翔祐の名前が呼ばれた。診断の結果、

「B型インフルエンザですね。薬を渡しますのでそれを毎日飲んで、安静にしてください」

翔祐はB型インフルエンザだった。俺は診察室を出て、薬局で薬をもらい、弟たちと一緒に彼女のところに行った。俺たちはこの大きな病院の奥に向かった。ここの病院はすごく複雑だ。彼女の病室を覚えるの意外と簡単だったが、たまに迷っている人を見かける。俺は一番奥の病室をノックした。

「どうぞ~」

と返事が返ってきた。俺はスライド式のドアを開けて、この病室で一人寂しそうにいるのが、俺の恋人だ。彼女は苦しいのに我慢して、笑っている。弟たちには、分かっていなそうだった。仕方がない、こんな事を分かるのは俺ぐらいだ。彼女は本当に苦しそうだった。そう、彼女はもうすぐいなくなってしまうだろう。

彼女は俺の恋人の坂本優奈だ。

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