Welcome to the Hotel Illusion

22世紀の精神異常者

Illusion




















“――ようこそホテル・イリュージョンへ。”























“スタッフ一同、お客様のご利用を心より歓迎いたします。”























どこからか声が聞こえる。

それは、俺を落ち着ける為か。

それとも、心を壊しに来ているのか。

俺は、もう何度も同じところを巡っている。

出口に向かって歩いているはずなのに。

気が付けば、振出しに戻っているのだ。

何が起きているのか、全く理解できない。

いや、理解したくないのだ。

俺は。

俺は、この館に。

閉じ込められたとでもいうのか?

ふと、目の前に警備の人が現れた。

俺はすぐに出口への道を尋ねた。

その警備員は、俺の質問を受けて軽く笑った。

そして、ゆっくりと口を開く。






















“お客様は、いつでもチェックアウトすることができますよ。もちろん、月が昇っている今でも。”




















“しかし、この館から離れていただくことはできません。”











































“……貴方様は、大事なお客様ですから。”

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る