死が解き放つ

パパスリア

神々と人々

第1話 光の種族

 「はぁ~、今日も誰にも読んで貰えてない、どうしたらPVって増えるのかな」

 私は去年の夏の終わり、カクヨンに登録をして、web小説を投稿する様になった。


 きっかけは、最近書店に並ぶラノベのジャンルが異世界物、転生物に偏っていて、読みたいのに読む物が無いと言う、何ともいやはや、如何いかんともしがたく、えた状態が続き。


 「・・・・・・・・・うぅぅぅにゃぁぁぁぁぁーーーーー」となってしまた。

 エ○マンガ先生に登場する○寿ムラマサ先生のパターンだ。

 私自身のかわきをいやす為、自分の為に書き始めた。


 そして、書いてしまった以上、誰かに見せたい、読んで貰いたい。

 だって、私史上、最高に面白いのだから、ふっん。


 そしてどんな酷評こくひょう受け止める。

 決意の末の投稿だった。


 ・・・しかし、状況はもっときびしかった。

 長編を三作、短編を三作、全くと言っていいほど読んでもらえない。

 酷評こくひょうすらないのですよ。


 恋愛とラブコメだけだから駄目だめなのかな。

 「・・・だって乙女おとめだし、年頃だしっ」

 素敵すてきなロマンとかにあこがれてるし、中二だし、14だし、女の子だしっ、一応いちおう


 「はぁ~、他のジャンルなら読んでもらえるのかな」

 現代ドラマ、現代ファンタジー、ホラー、ミステリー、SF、歴史、時代、伝奇、詩、童話、その他。


 「その他って何、そう言えば、7歳ぐらいの頃、ひいおじいちゃんの葬儀そうぎで、ひいおばあちゃんに変な話を聞いた様な」


 ひいおじいちゃんの葬儀そうぎにはもう一人、私の知らないおじいさんのひつぎがあって、一緒にお見送りをした。


 お母さんに聞いたら、おばあちゃんに聞きなさいと言われ、おばあちゃんに聞きに行くと。

 「すまないねぇ春奈はるな、おばあちゃんもどんな人か詳しくは知らないの、そうねぇ~、あそこのひいおばあちゃんに聞いてごらん」


 「うん、聞いてみる」思い出して来た。

 ひいおばあちゃん、名前は確か、あんおばあちゃん。

 私は葬儀の最中さなかあんおばあちゃんに、私の知らないおじいさんに付いてたずねた。


 「ねぇ~、おばあちゃん、あのおじいさんは誰」

 「う~~~ん、お前さんは誰だい、ことちゃんかい」


 「これっ春奈はるな、こっちいらっしゃい、あんおばあちゃん、琴音ことねは私、その子は、私の娘で春奈はるなよ」

 「あ~ぁ、そっかそっか、春奈はるなちゃんかい」


 「すみません、おじいちゃんのお見送りの最中さなかなのに」

 「あ~、いいよいいよ、春奈はるなかぁ、おおきゅうなった、近付けはせん、じゃが話しはしないといけないからねぇ~」


 「・・・じゃぁすみません、春奈はるな、大人しくしてるのよ」

 「うん、分かった」

 「春奈はるな、ここへお座り、あ~いい子だねぇ、良く聴きに来たねぇ」


 そう、そして私はあらためてたずねた。

 「あんおばあちゃん、おじいちゃんの横のおじいさんは誰」

 「あぁ~、良く気が付いたねぇ~、あの方は大長老様だよ」


 「大長老様」

 「たった御一人、今まで生きておられた黄金の種族、その方がとうとう身罷みまかられたのさ」


 「死んじゃったの」

 「あぁ~、そうとも、待ちに待ったお迎えが来たのよぉ」


 「死んじゃうのに、待ってたの」

 「そうだねぇ~、死んじゃうのにねぇ~、でもあの方はとても嬉しそうだった」


 「どうして、死んじゃうのにどうして嬉しいの」

 「言ったじゃろう、お迎えが来たのさ、ジュリエット様がねぇ~」


 「ジュリエット様、誰」

 「う~~~ん、ジュリエット様は大長老様のお嫁さんさね」


 「お嫁さん、何処から来たの、だから嬉しいの」

 「あぁ~、あぁ、嬉しいとも、たと黄泉よみの国からのお迎えでもねぇ」


 「あんおばあちゃんも嬉しいの」

 「あぁ~嬉しいとも、おじいさんはその時が来たら必ず迎えに来ると約束してくれたぁ」


 「う~ん、死んじゃうのに、分からない」

 「そうだねぇ、春奈はるなにはまだ分からないかもしれないねぇ」


 「どうしたら分かる様になる」

 「うぅん、あわて無くとも、分かる時がいずれおとずれる、待ってなぁ~」


 「じゃ、私も死ぬ」

 「あぁ~、そうだねぇ~」


 「私、死にたくない、お母さんもお父さんもあんおばあちゃんも、いなくなって欲しくない」

 「そうかいそうかい、有難よぉ、春奈はるなは優しい子じゃ、うんうん

、じゃがな、これは大長老様が大変なご苦労をなさって、よぉ~やく手にしたものなのじゃ」


 「しんどかったの」

 「そうじゃ、これから話す事を、春奈はるなはよぉ~く覚えておきなぁ」


 「うん、頑張る」

 「うぅ~~~ん、良い子じゃ、これは大長老様の話じゃ、大長老様の御歳はな、はっきりとはわからぬのよぉ」


 「どうして、春奈はるなは分かるよ、今年七つになったよ」

 「おぉ~、偉いのぉ~、自分の歳が言えるのか、しかし大長老様はな、黄金の種族と言われる様になって、四百年くらいになっておられたそうじゃぁ~」


 「じゃ~四百歳で死んじゃったの」

 「うんにゃぁ~、大長老様達はな、黄金の種族になる前は、光の種族と呼ばれる、神様に最もちかしい人達でのぉ、不老不死じゃったそうなぁ」


 そうだ、思い出した。

 今から四百年以上前、そこからさらはるか遠いい昔、神様は、神姿かみすがたに似せて人をおつくりになられた。

 その人々は、神様に姿が似ているだけでなく、不老不死だった。

 その人々の事をのちの世の人は、光の種族と呼び伝えた。

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