第6話》Sランクは色々と破格でした

 さて後は、靴だな。まあスピードが半分でも250あるけどな。

 俺、見た目はしょぼいが、凄いよな。

 で、次は何をすればいいんだ?


 辺りを見渡すと、木の看板があった。

 『はじまりの村』と看板が指し示す方を見るも何も見えない。

 結構遠いのか?


 「はじまりの村に向かえばいいのか?」


 『はい。フィールドは、見えませんが区切られていて、その度にダイスを振ります。出た目によって戦闘になったり、アイテムを取得したりします。ちなみに戦闘でも経験値は入ります』


 まあ普通は、戦闘で経験値って入るよな。

 俺は、村に向かって走り出した。すると、目の前にサイコロが転がる。

 なんかサッカーしている気分だ。目は4。


 ――ダイス4で、敵が出現しました。


 一角兎が一体。それが俺に向かって来る。


 「えーと、ファイヤー!」


 キツネの形を作り突き出した右手から、ファイヤーが繰り出され一角兎にヒット。キラキラ輝いて消えた。HPがいくらかわからないけど、瞬殺だったな。


 ――敵を倒して、経験値1を取得しました。

 ――ダイス3で、何も取得出来ませんでした。


 前回3で、アイテムだったけど、その時によって中身が違うみたいだ。

 しばらく走っていると、またサイコロが転がった。


 ――ダイス2で、宝箱が出現しました。


 あ、ラッキーナンバーか。

 どれどれ。

 目の前に出現した宝箱を開けると、中にサイコロが!


 「何だこれ?」


 『六面体のダイスです』


 「いや、それは見ればわかるけど、何に使うの?」


 『振り直しに使えます。ただし、バットの時だけです』


 「それってどんな時?」


 『取得していれば、その時に問われますので使うと言えば、振り直す事ができます。また死亡した時に、復活のダイスとして振れます。ラッキーナンバーが出れば、HP半分で復活できます』


 なるほど。そういう風に使うのか。それは便利かも。

 こうして、10回ほどサイコロを振って、モンスターと二回遭遇し、経験値を2取得。アイテムは、HP回復が一つと、MP回復が二つ。何も起こらないと言うのが半分だった。

 そういう時は――静かなもんだ。で終わり。


 村に到着すると、プレイヤーがいっぱいだ。

 剣士の格好した者や魔法使いの格好をした者。皆、武器を持っている。当たり前だよな。たぶん体力が30あれば、ひと通り装備しているだろうし。


 「ステータス」


 うん? 何故か皆、ステータスって言っている。


 「なあ、ステータスでも……って」


 ステータスと言うと、ステータスが数個表示された。俺のじゃない、他のプレイヤーのだ。

 どうやらステータスと言うと、他のプレイヤーのステータスが表示されるようだ。皆、HPは100ぐらい。たまに200とか300とかいる。おぉ、33っていうHPの人を発見! でもちゃんと、武器を持っている。


 HPが300あっても魔法使いの様な格好をしている人がいるのを見ると、どうやら攻撃力が上だと剣士系の格好で魔力が上だと魔法使い系の格好になるみたいだな。


 そういえば皆、どうしてステータスって言うと、他のプレイヤーのを見れるって知っているんだ?


 「なあ、俺、他のプレイヤーのステータスの見方教わってないんだけど。他の人はどうやって知ったんだ?」


 『はい。私がいるので省かれたようです』


 おいおい。ナビは、聞かないと答えないから下手したら暫く知らないままだったかも。


 「今度、省かれた所は、聞かなくても教えてくれよな」


 『わかりました』


 あ、レベル2の人もいるんだ。


 「俺も早くレベル上げたいな」


 『マスターは、後193の経験値が必要です』


 うん? そんなに? 敵を倒しても1しか入らないのに、イベントクリアしても5だったのに?


 「あの2レベルの人、すげーな」


 『あの方はたぶん、Eランクなのではないでしょうか? Eランクだと2レベルに必要な経験値は10ですので』


 なんだと! ランクによって必要な経験値ってそんなに違うのかよ!

 でもどっちがいいかと問われれば、Sランクの方がいいよな。うん。

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