2.5 魔物データ ざっと見 (1巻 Lv. 3, 4)

この記事は TRPG ソード・ワールドなんでも Advent Calendar 2019 への寄稿記事です。

https://adventar.org/calendars/4450

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  初期作成向けには強めの雑魚であったりボスとして出したりするのがこのあたりの敵。多部位の敵もチラチラ出てくる。出し方を間違えて普通に戦わせると事故になったりする敵もいるので注意深く選択することをお勧めする。

  ここでは敵として出した場合の行動プランも書いていく。強そうな動き方を書いているのでプレイヤーの状態によってはここに書いてあるプランを採用することは見送った方が良い。


  ボスとして見るとディノス、ブルドルン辺りは使ってみると楽しいだろう。魔法を使ってみたい場合はレッサーオーガをチェック。また、ボルグハイランダーやガストナイト、アザービーストは単純な能力で初めての GM にお勧め。

  ヘルハウンドは使う時は注意。少々強い。


<ボルグ>

  Lv.3 蛮族の代表格、というのは私の考えが強すぎるかもしれない。ちょっと強い妖魔の代表格なのでシナリオ的には使いやすいはず。ゴブリンやフッドを率いる班長格としてどうぞ。


  サンプルキャラクターの人間の戦士に比較して1段階劣る命中・回避だが最大20点の物理ダメージを出すことができる。グレムリンが適当に【エネルギー・ボルト】した後に出目事故が発生したりするとさっくり気絶するので注意。事故を回避したかったらボルグを最初に行動させよう。



<シールドフッド>

  さりげなく高い命中と防護点は強み。打撃の威力もゴブリンと変わらないので戦力にはなる。効率よく戦わせたいのであれば後衛ヒーラーとセットで出すことでこいつをしぶとく戦場に残し、前衛アタッカーを庇わせ続ける、という使い方がある。ヒーラーがいなくても回避に難のあるフーグルマンサーなどを庇わせるだけでも強い。逆にグレムリンなんかは回避力が高いのであまりこいつを付けても強くはないかもしれない。


  さらに、ボルグや魔法使いが殴って虫の息になっている PC を高い命中力で気絶に追い込む、なんてこともできる。



<フーグルマンサー>

  真語魔法3レベルなので【リープ・スラッシュ】が使えるが、2回しか使えない。ターゲッティングを持っているので【エネルギー・ボルト】にしておけば3回使えるのでそちらで戦いつつ、MPが切れたら前衛に躍り出て機動飛行でがんばることになるか。機動飛行すれば命中力が5に達するのでそこそこ命中させられる。

  なお、魔力は4なので初期作成が相手でも抵抗を抜くのは少々厳しい。ダメもとで【ナップ】を打ち込んでみてもいいかも。シールドフッドがいる場合は【ブラント・ウェポン】はやめておいたほうが PL の精神衛生上いいかもしれない。


  知名度が10と若干高い(=正体を判別しにくい)ので注意。



<ボルグハイランダー>

  初期作成にぶつけるボスとして丁度良い蛮族、のはず。能力が単純(命中を2度試みれて、攻撃の出目が10超えたら追加ダメージがグッと増える)なので魔法を使うレッサーオーガに比較して初めての GM には扱いやすいのも好印象。


  命中力5の上、斬り返しを使うこいつの攻撃を回避することはかなり困難であり、しっかりと痛恨撃も積んでいる。さらに回避力は5とまずまずの値を持っている。相互に支援や回復をしていかないと初期作成で倒すのは難しい敵のはず。痛恨撃がきれいに入ると23点の物理ダメージなのでそこだけ注意。とはいえ出る確率はそう高くもないので危機感を煽るのにちょうどよいかもしれない。



<レッサーオーガ>

  こちらも初期作成にぶつけるボスにちょうど良い。ただし、魔法を使うため管理すべきデータが若干増えてくるのには注意。戦術を事前に決めておくが吉。


  【エネルギー・ボルト】を4回まで使えるのでこれを連発させたくなるがターゲッティングを持っていないので誤射のリスクがある。後衛に置いておくのであれば【リープ・スラッシュ】を使うことになるだろうが、この場合は剣のかけらを持たせて3回、剣のかけらなしでは2回しか打てない点に注意。

  ボルグハイランダーに比較して回避は劣ってないし HP も高いので最初から前に出してもよい。これなら【エネルギー・ボルト】の誤射の心配もないし、後衛を狙うこともできる。シールドフッドと組み合わせても吉。シールドフッドがやられたら【ブラント・ウェポン】で防御を図るのも面白い。



<グレイリンクス>

  体長2mの山猫、と言われるとかなり怖い。我々の世界観で言う虎くらいのサイズ。体力には若干劣るがよく攻撃を回避するし連続攻撃もあるので PC のリソースをゴリゴリ削れる。知名度も妙に高く、初期作成では正体がわからない可能性もある。精神抵抗が低いので補助魔法の出番だ、と PL に思わせたりするのにちょうどいい。


  PC がちょっと強いなーって思った場合などにちょうどいいかも。



<パックリーダー>

  ウルフの命中・回避を強化するがそれぞれ3に増強されるだけなのでそこまで強いか、と言われると……。回避力はグレイリンクスと同等だし、金属鎧を着ていない PC への命中は実質6となるため割と強い。特に回避に生きるぜってキャラクターがいるときは注意。かなり避けにくい。


  前後編の話のときにボルグハイランダーがウルフとセットで PC にけしかけたりするとそれっぽいだろう。



<ディノス>

  待望の多部位。

  圧倒的に高い命中、他と同等の回避、2ラウンドに1回だが魔法ダメージを発生させる遠距離攻撃、と強い。回避は他と変わらないので PC がちょっと頑張れば当てられる相手ではあるが防護点も高い。また、耐久力のある胴体を倒さないと厄介な頭部を狙うのは困難という点にも注意が必要。


  頭部と胴体で別々の相手を狙い、PC の回復役を焦らせると良い。集中攻撃を仕掛けさせてもよいが頭部の放つブレスは魔法ダメージなので鎧を着こんだ前衛にも深手を負わせることが可能な点には注意。のうのうと過ごしてきた後衛にブレスを吐きかけて焦らせるのもよいだろう。



<ダンシングソーン>

  こいつも痛恨撃を使う上、ボルグを上回る命中力を持つ。植物でなんか弱そうな雑魚と PL がなめてかかるとちょっと面倒なことになる。


  自然の脅威感を出したいときにグレイリンクスとかと良い感じに組み合わせると楽しいかもしれない。知名度もさりげなく10と少々高い。



<ドライコープス>

  能力としてはグレイリンクスのそれに近いがこちらの方が若干命中が上。また、精神抵抗も5と高いためグレイリンクスよりも厄介か。炎弱点だが、初期作成時点では炎属性の攻撃手段には乏しく弱点値13を突破するのも難しい。攻撃力はゴブリンと同格と若干低いのが救いか。ゾンビと違って一撃の火力はそうでもないので堅めのファイターの活躍所に。



<ガーゴイル>

  俺たちのガーゴイル先生が回避力が少し下がって帰ってきた。とはいえ命中6の回避5で攻撃力もボルグと変わらないので強い。


  だが、そんなことよりも置物が動き出して攻撃してくるというファンタジー感がたまらない。要所に怪しく置いて離れたところから魔法で攻撃させよう。



<ドアイミテイター>

  回避力には若干難ありだが命中は5と安定した数値。さらに防護点・攻撃力も高く攻撃命中時に相手を転倒させる能力もある。


  ふらふらと扉を調べに来たスカウトを兼任するグラップラーがこいつに殴られ転ばされ、控えていたドライコープスの連撃の餌食になる……なんてシナリオをやりたくなる。これで即死とか目も当てられないのでほどほどにしよう。出すなら道中に単体が良いだろう。

  それでもドライコープス3体に追われている最中見つけた退路の扉がこいつだった、とかはやりたくなる。



<ガストナイト>

  ディノスに匹敵する命中とドアイミテイターを上回る攻撃力。耐久力にやや難ありなことを除けば随分な強敵。期待値で人間の戦士の HP を半減させる、は結構脅威度を演出できるだろう。ドアイミテイターを相手にしている一行のところにそろりそろりと近づいてくる、とかをやると不気味でいいかもしれない。後はガストとセットで出すとか。


  単純なデータなので GM としては扱いやすい。



<ザーレィ>

  前衛に出して戦わせるにはやや難ありな能力だが相手に必ずダメージを与えられる光弾を放てるのは強い。ドルンないしブルドルンを後ろから援護する、などとやると厄介。また、前衛が全滅し PC が喜び勇んで後衛のザーレィに殺到したところで PC の後衛を長い射程を活かして撃つ、なんてこともやれる。楽しい。



<ブルドルン>

  高い耐久力と結構いい感じの命中力、まあまあの回避力を持ち後衛への攻撃能力も持つ優等生。ザーレィやディノスと違って毎ラウンド後衛を狙えるし、後衛ではまず軽減・回避ができない攻撃でもある。さらに利用後は回避力が下がるので PL のストレスもそこまでではないだろう。


  ターゲッティングが無いので誤射が発生する点にも注意。射撃攻撃ができるから後衛から攻撃させる、という使いかたはできない。



<ディーラ>

  かなり危ない能力を持つものの、設定的にあまり敵対することはないであろう種族。回避力がまあまあなことを除けば敵としては弱い。


  データを持つ NPC として出し、PC 達の手助けをさせる、という使い方にいいかもしれない。特に魅了の歌は使い方によっては面白いことができるはずだ。言語としてエルフ語と魔法文明語が使えるので PC 達との意思疎通も何とかなる可能性が高い。



<ヘルハウンド>

  やばい。他の強敵と違って対処がかなり難しい。


  射程がないとはいえこの帯で唯一の範囲攻撃をもつ。さらに魔法ダメージである。連続した手番で使えないから安心かと思いきやそれなりの火力と同レベル帯トップタイの命中力で殴ってくる。回避力も同レベルでトップ。精神抵抗力も高い。


  きっつい GM と思われたい場合にお勧め。戦闘が好きな PL なら喜んでもらえるはず。



<エルビレア>

  エビとあだ名されるがおいしくなさそう。


  このレベルの敵としては攻撃力が若干高いので注意。命中もそこそこ。回避・耐久力は標準的。マナ阻害の毒という面白い能力を持っているがこのレベル帯の前衛がこれを受けても困ることはまずないだろう。



<アザービースト>

  通称アザビ。


  知名度が高く正体が分からないことが初期作成だとしばしばありそうだが、それを除けば標準的な能力であり、ちょうどよいボス敵をやってくれるだろう。なんというか、特筆することがない。






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