異世界で役立ちそうな現代知識についての解説

疫学調査

「お助けください！転生・転移者様！町で流行り病が流行っているのです！」

　君はこんな状況に陥ったらどうする？チートスキル『ウルトラスーパーアルティメットヒーリング』を使う前に現代知識に頼ってみよう。

　ここで参考になるのはコレラの調査を行ったイギリスの医師、ジョン・スノーの手法だ。当時コレラの原因はコレラ菌とわかっておらず。悪い空気がコレラを発症させると考えられていた。

　彼は感染源を絶つため、コレラによる死者を地図にマッピングし、その近くに何かないかと調査することにした。

　そのとき目をつけたのは街に設置されていたポンプだ。死者の多いところとポンプが水を流している区域を照らし合わせると、あるポンプが水を流している地域で死者が多いことが発見された。

　そう、そのポンプが感染源となっていたのだ。そのポンプを使わなくすることで感染を抑えることに成功した。その功績をたたえられ、イギリスの街にはジョン・スノー通りなんてのもできた。

　この知識を異世界で活かすとこうなる。

　＊

「ふむ……流行り病の死者をマッピングして、街の井戸と照らし合わせてみたらどうだろう。」

　なんとその結果、流行り病の原因は魔族が井戸に呪いをかけたからだと判明した。あとはもうとんとん拍子、呪いを解除して原因となった魔族を倒して終わりだ。

　チートスキル『ウルトラスーパーアルティメットヒーリング』に頼っていたらこれからも流行り病の患者は生まれ続けていただろう。

　知っててよかった現代知識。