街に響くは偽りの歌

きらきらと着飾ったアイドルは

他の誰かが作った歌を

自分のものとして歌った


あなたと出会えた奇跡は一生の宝物

あなたのためなら身も心も捧げられる

ずっとずっとあなたのそばに居たい


数年後、彼女は夫を殺してしまった


ある男性アーティストは

自分で作詞作曲した歌を

自分でギターを弾きながら歌った


命よりも大事なものは存在しない

この世界のなんと美しいことか

大空よ、大地よ、ありがとう


数年後、彼は自ら命を絶った


ある素朴な歌手は

命を絞るような歌声で

訴えかけるように歌った


僕は人を惑わす罪を許さない

人は誘惑などに負けないで生きていける

蛇がいうリンゴなど追いかけない


彼の体はその時すでにクスリに蝕まれていた


今日も偽りの歌が響くこのステージで

さあつぎはあなたの歌の番よ

どんな歌を聞かせてくれるの?


どんな結末をみせてくれるの?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る