蜘蛛の巣
電子の世界に張り巡らされた蜘蛛の糸
上手に渡る人はたくさんいるけど
どんくさい私は いつだって足をとられてばかり
途切れた糸を直す蜘蛛は そこに毒を混ぜて
絡めとられる私は 何度目かわからぬ気絶をする
どんなに心が痛んでも、悲しくても、
訴えたって届かないんだ 絶対届かないんだ
あっちはそれが正義だと思ってるから
なら、こっちもただ自分の正義を、
叫ぶというよりはこんな片隅で、チラシの裏に、書くだけで
せめてそれをしなくちゃ怒りや悲しみが渦巻いて心が壊れそうになるから
いい人だっているよ、そちらの方が多いよ
なのに、私の目の前に立ちふさがる一匹の毒蜘蛛が
何もかも 何もかも 見えなくしていく
視界が霞む 白くなっていく
人の痛みなどわからない方が幸せなのか?
自分が幸せなら、それでいいのか?
視界の隅に 誰かの心配そうな視線
幻なんかじゃなかったと思いたい
保てない意識
今日も私は蜘蛛の糸に吊るされる
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