第2話 廃墟に咲く花
勇者が始めて一人でたどり着いた場所には、何も無かった。
彼が求めていたものは、何一つありはしなかった。
あるのは、ただ、先人達のぬけがら。
その場にいるのは 限りある資源を強く欲する動物達。
廃墟となった場所に憂いを落としつつ歩いていた勇者は、
ただ単純に広がる平原の中央に、ある一つのものを見つけた。
花である。
とても綺麗な艶のある花である。
たった一厘ながらも、力強く咲いている、それは花であった。
勇者は笑った。
声を出して笑った。
自分はまだ何も成していない事に気が付いて笑ったのだ。
これから自分がこの廃墟に都を築いてゆく、それでいいじゃないか!
いつの日か、この草原に眼前の名もなき花が咲き乱れる事を望み、
勇者は益々の精進を誓った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます