惑星エラム 幻のカタカムナ 【ノーマル版】
ミスター愛妻
プロローグ 『ゆらぎ』の中から
神の呟き
『無』というものが存在している……
ただ物理学でいうところの『絶対無』ではない……『ゆらぎ』があるのである。
その『ゆらぎ』は『思考』を持っていた……
その『思考』は『虚』、つまり中身が無い事を嫌った……
ゆえに『未』、存在しないことを、『不』、としたのだ。
従って『虚』を『非』とし、『有』の世界を創りあげた……
――この当たりまでは ウィキペディア、無の項目より 抜粋引用――
『思考』は『ゆらぎ』を利用し、『混沌』を創り上げ、そして『有』の世界が生まれたのだ……
『有』の世界は、『ゆらぎ』の『混沌』より生まれた。
それは『思考』の力なのだが、その力を持ってしても、『混沌』は元ある姿に戻っていく……
そしてある物が姿を現した。
その物は捻じれた輪、あえて形容するならメビウスの輪 、またはクライトンの壺と呼ぶべきものだろう。
時を切断すると裏表があるが、全体では裏表はない、始まりも終わりもない存在だった。
『時』が生まれているのだ。
何故か?
理解が出来ない……
『思考』は『待って』みることにした。
『時』が生まれた以上、『待つ』という概念を知ったからだ。
自らの『ゆらぎ』を利用した為に、『有』の世界には、いつか別の『思考』が現れる……
その『思考』は、この現象をどう捉えるか、別の考えを知ることが出来る……
『思考』は自らを、『天之御中主(あめのみなかぬし)』神と名乗った……
そして次の『思考』が現れた……
しかし『有』から現れた『思考』は、『求め合う』という『思考』だった。
『天之御中主(あめのみなかぬし)』神は、この時、『分離』と『融合』を知った。
そして『求め合う』を『分離』したのだ。
『天之御中主(あめのみなかぬし)』神は『分離』の時、『求め合う』を考慮して、偏りをつくった。
すこし多く分けた『思考』は、『与える』ことを望み、すこし少なく分けた『思考』は、『受ける』ことを望んだ。
『天之御中主(あめのみなかぬし)』神は、新たな『思考』に、『時』をどう見るか聞いてみた。
二つの『思考』はこう答えた。
……『有』の世界よりいでた物は、『無』に戻る……私たちも『無』に戻る……
『無』に戻ると言う事を、『消滅』と呼ぼう……
そして『有』の世界に現れた事を、『誕生』と呼ぼう……
『時』はこの『誕生』と『消滅』を司るもの……
何かが、『無』である貴方を造り、『有』が現れると、『調和』をとるために『時』を創った……
『天之御中主(あめのみなかぬし)』は、その時、思った……
『何者』かが別に有る……『調和』を是とするものが……
私の存在する『無』には、『ゆらぎ』がある……私にとって、『ゆらぎ』が存在しないということが『消滅』……
『消滅』が『調和』に出会う為の入り口……
この造りし『有』の世界には、本当の『誕生』と『消滅』はない……『循環』なのだから……そう、何者かがそう定めている……現れた時をみればわかる……
『天之御中主(あめのみなかぬし)』神は、他の二つの『思考』に、この考えを伝えた。
すこし多く分けた『思考』が……同意する……私は『調和』に出会ってみたい……『消滅』は可能と思う……
しかし、すこし少なく分けた『思考』がこういった。
……同意はするが、しかし『有』の世界はどうするのか……『誕生』は発生し、『生命』と呼ぶべきものが芽生えてきている。
『循環』を設定した以上、ある程度、飽和状態に達すると『終了』し、また『出現』する……『消滅』出来ない……
『天之御中主(あめのみなかぬし)』神は『誕生』の総数を設定していたのだ。
三つの『思考』は語り合った。
そして『調和』に出会うために『消滅』する。
その為にも、『有』の世界を『誕生』したものに任せようと……
そして、上手く行くように見守ろうと……
『天之御中主(あめのみなかぬし)』は、すこし多く分けた『思考』を『高御産巣日(たかみむすび)』神、すこし少なく分けた『思考』を『神産巣日(かみむすび)』神、と名付けた。
そして三つの『思考』は、自らを『造化三神』と名乗った。
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