第33話【意外と良い奴】
お茶会をしているピーマンとミンチ。
「殿下、 来月のお茶会ですが日程をずらしても宜しいでしょうか?」
「何故だ?」
「父が寄付している孤児院への視察が入りまして」
「ほぅ・・・お前も善行をする事が有るのだな」
「ESG投資の時点で既に善行だと思いますけどね」
「・・・・・そ、 そうだな!! ESGは良いな!!」
「えぇ良いでしょう」
紅茶を飲むミンチ。
ESGって何だろう? と思いピーマンは調べてみた。
ESG投資とは、 環境・社会・企業統治に配慮している企業に投資しているとの事らしい
なんのこっちゃ? とピーマンは首を傾げた。
意味を詳しく調べてみると、 環境に配慮していると言う事は
未来の子供達の事を配慮していると言う事が分かったのだった。
「ミンチ良い事をしているのか・・・驚いたな」
ミンチは如何しようもない悪女だと思っていたピーマンは少し驚いた。
「とは言え、 俺が愛しているのはカラシナだ、 さて行くか」
カラシナとのデートに向かったピーマン。
とは言え金が無いので庭園を歩き回るだけだが。
「カラシナ、 最近如何だ?」
「・・・・・」
俯くカラシナ。
「・・・いじめにでも遭っているのか?」
「えぇ・・・」
「またミンチか!!」
「証拠は無いですよ?」
「証拠の有無なんて・・・」
ここで怒ってしまっては今までと変わらない
寧ろ何れ殺すのだからここは我慢しよう、 と堪えるピーマン。
「そうだな、 今度アイツに君のいじめに関して相談しようか」
「良いですね!!」
後日のお茶会でピーマンはミンチにカラシナのいじめに関して相談した。
「いじめですか、 我が学院の品位を下げる行いです、 許し難い」
「そうだろ!? そうだろ!?」
「殿下、 ここは王国の影達を使いましょう」
「・・・・・・・影? 何だそれ?」
「王国の裏の実働部隊ですよ」
「・・・・・???」
「国に大々的に調べて貰いましょう」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・???」
首を傾げるピーマン、 カラシナをいじめているのはミンチの筈なのに
何でこんなに堂々としているのかが分からなかった。
後日、 いじめは無くなった。
と言うかカラシナを皆が避ける様になった。
「・・・・・何だこれは?」
「影が動いた結果、 いじめを働いた者が消された様ですね」
さらりと言うミンチ。
「・・・・・お前は虐めていないのか?」
「殿下の婚約者の私がそんな事をする訳ないじゃないですか
殿下の品位を下げます」
「・・・お前、 意外と良い奴なんだな」
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