第7話 少女と廃墟

街はひっそり

だあれも いない

転がるされこうべ

散らばるどくろ


私は眼帯をして

お気に入りのゴシックで

レースの傘を

ぐるり

ぐるり


何かあった場所

何かの渦に入ってた場所

何年も

何年も入れなかった

場所


パパとママに言われた

「あの街は汚れてしまった」

「あの街は入れない」

入れたよ

閉ざされた門

「立ち入り禁止」の文字

扉は腐ってたから


よどんだ


死のにおい


私を出さない

出られない

地面が目の前

吸われる



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私は少女 黒田寛実 @otoronenayu

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