消失点

第1話 まえがき

ハロー、


偽物を動かす気持ちはどうだい

80年かけて


やっと見つけた朝のはじまり


眠れない夜が

明日になるのはいつだろう

空の温度はぱきぱきと割れて

私の体に溶けた


あの特異なあたたかさ

それさえも


全部忘れて眠れというのね


優しいものに泣かされている

心が何度も沸騰している

その度世界は切り刻まれて

私の涙はそれを盗んだ


目を開けば

空っぽの瞳が

温度を吸って


私はまた咽せる


足りないんだよ

ずっと足りない

そうやって死ぬ

わたしもきみも


だから、ハロー


偽物の君


責められないよ

あたたかいのに

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