第71話-知幸は親友&ドッチボール

 あの知幸との出会いがあってから、俺は少しずつショックから立ち上がってきていた。


 朝、目が覚めてカーテンを開ければ今日もいい日になると言い聞かせたり、登校途中では今日も平和だなーとか独り言を言ってみたり。


 気が付けば俺は、「昨日の幸せ」とは何かが分かっていた。

 昨日は友達とたくさん喋れたーとかね――――


 「おーい亮一! 何ぼーっとしてんの? 次体育だから移動だぞ! 早くしないとあの先生に怒られるぞ!! あの先生怖いんだよ……」


 「わわっ! 今行く!」


 知幸は俺の大事な親友だ。


――――


 「屈伸ー! いちにっさんしっ!!」


 「ごーろくしちはちっ!」


 何とかチャイムギリギリで間に合ったので、怒られる事はなかった(よかった)

 そして今は準備体操中だ。まぁそんなことは言われなくても分かるか


 「よーし体操終わりっ!! 今日は女子、男子混合でクラス対抗ドッチボールをするぞ!! 最初は一組と二組だ! 準備しろ!」


 俺たちは二組なので、せっせと準備をする。


 「頑張ろう! いざとなったら私が君を守るから」


 「お、おう……」


 守るべきは「俺がリズさんを」ではないだろうか


 「リズさん! そんなにくっ付かない!!」


 一組である委員長(楠瀬)が指を指して注意をしてくる

 そうか、委員長と戦う事になるのか。


 「ふふっ 悔しかったら早くボールを投げるんだなっ☆」


 挑発である。


 「そうですかリズさん! 私を怒らせた事、後悔させてあげます!!」


 なんだこれ。 ドッチボールだよね? なんかすんごいバチバチしてるよ?

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