第56話-お土産

 動物園を隅々まで見た俺たちは、お土産コーナーに居た。


「お父さんとお母さんには、このクッキーのお土産はどうかな?」


 俺が妹達に問いかける。

 その質問に沙耶ちゃんがすぐに返事をしてくれた。


「いいと思うよお兄ちゃん!お母さんクッキー大好きだから」


「お母さんクッキー好きなのか!」


 また一つ新たな発見だ。

 

 さて、自分にも何かお土産を買っておきたいところ。

 何かないかなーとお土産を眺めていると、葵ちゃんが何か思いついたようだ


「あのさ、せっかく四人で来たからさ、四人おそろいのキーホルダー買いたいなって思うんだけどどうかな?」


「お姉、それいいと思う」


「うん!私もいいと思う!お兄ちゃんは?」


 もちろん答えは、「いいね!」


 少し時間がかかったが、ライオンの赤ちゃんのキーホルダーに決まった。

 沙耶ちゃん、葵ちゃんは友達にあげる為のお菓子も買うようだ。

 まどかちゃんは、かぴぱらさんのぬいぐるみも買うみたい。


 そして楽しい時間はあっという間に過ぎていき、そろそろ帰る時刻に。


「あーあ。終わっちゃったな」


 葵ちゃんが悲しそうに下を向いている。


「葵ちゃん。また来ようね」


 元気付けるように頭を撫でる。


「葵の気持ちすごく分かるな。私も寂しいけど、これで終わりじゃないもん。これからも、お兄ちゃんが楽しい所連れて行ってくれるって、私そう思うよ」


「またかぴぱらさん、お兄とお姉四人でみる」


 目の前には、美しい夕暮れ。俺たちは横に並んで、誓った。


「またみんなで来ようね!」


「(妹達)うん!」


 これから喧嘩とかするかもしれないけど、俺たち兄弟は、そんなことで壊れたりしない。血はつながってないけど、みんなとの心は、強い力でつながっているから。

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