第一目標
【
太古から転生を繰り返した『黒』の
そして
「――……この
『さっきも言ったけど、
「!?」
『けれど私が問題視しているのは、
「!」
『正直、箱庭の
「『黒』のお前を……!?」
『あの
「……アルトリアか?」
『多分ね』
「アルトリアがそれを可能にしたとして、我々が地下への突入を控えることと、どう関係する?」
『
「……ならば、降りたマギルスとエリクは……?」
『既に敵の思惑の中に居ると、考えたほうがいいね』
「ならば尚更、我々も追わなければ――……」
『言っただろう? この
「……アルトリアは、仲間であるエリクとマギルスだけを招き入れた?」
『そして、それ以外は要らないモノとして排除する。各国に
「……仲間だったあの三人を、この都市内部に入らせる事が目的で。それを届けた我々や地上の人間達は、既に用済みということか……ッ」
シルエスカは苦々しい表情を浮かべ、その言葉を口にする。
兵士達もその言葉を聞いて表情を強張らせ、全員が驚きや怒りにも似た感情を顔で浮き彫りにした。
そうした中でも、クロエは淡々とした様子で話し始める。
『――……シルエスカ。部隊を連れて、都市南部に向かえるかい?』
「……どうするんだ?」
『黒い塔が建つ中央付近は、
「地下に降りるなら、グラド達のように中央ではなく端からか」
『その通り。――……急いだほうがいい、
「なんだ、どうした?」
『私は行くよ。後は通信士の彼に、情報を聞いてくれ』
「おい、クロエ!」
そう言いながらクロエは通信を切り、シルエスカは話を中断させられる。
しかし新たに通信が入り、シルエスカや兵士達の耳に先程まで聞いていた通信士の声が届いた。
『――……シルエスカ元帥! 浮遊都市の外部で、新たに敵魔導反応が増大! 何かと交戦している反応があります!』
「!」
『新たに現れた魔導反応を検知! ……これは、間違いありません、
「!!」
「二号機……。各同盟国の来援か……!」
『ちょっと待ってください……。新たに通信、届きました!
「!!」
『向こうの通信内容をお伝えします! ――……我々はアズマ国とフォウル国の増援を乗せ、外壁へ突入。
「……ッ」
『アズマ国とフォウル国の精鋭が、外壁から都市内部までの進路を確保している模様。上手くいけば、都市内部に出られるそうです!』
「そうか。……もし一号機の乗務員達が
『ハッ!』
「全員、聞いているな! これより第六から第十部隊は、都市南部へ向かう! そこで地下へ通じる出入り口を見つけ、あるいは作り、都市の浮遊機能を有する施設を破壊する!」
「!」
「各部隊、索敵しながら南部へ行軍!
『了解しました!』
「それと、クロエはどうした?」
『局長は、艦橋から退室しました。後の事は我々に任せると……』
「……クロエ。お前は何を視て、考えている……?」
シルエスカは
しかしクロエの明らかに怪しい動きに、シルエスカは表情を強張らせながら各部隊を率いて行軍を開始した。
こうして各人員に、明確な動きが見え始める。
そして各増援が到着し始め、目的の為に増援を含めた全員が藻搔くように空に浮かぶ都市の中で動き出した。
一方その頃、
「――……なんかある!」
「ブルルッ」
マギルスと青馬は下にある施設へ駆け下り、広大な空間がある施設の通路へ着地する。
そして青馬の背から飛び降りたマギルスは、周囲を見ながら施設の中を見渡した。
「よっと。……どこだろ、ここ?」
「ブル……ッ」
「僕が知るわけないじゃん。そっちは知らないの?」
「ブルルッ」
「馬が知ってるわけないだろって、自分で言っちゃう?」
マギルスは青馬と意思疎通が取れるようになったようで、互いに分かる会話を続ける。
そしてマギルスと青馬は互いに歩み、施設の通路を見回しながら探索を開始した。
その施設は先程のような
そして低重音を響かせながら施設内を轟く機械の音を聞きながらマギルスと青馬は瓦礫を飛び越えながら通路を歩くと、しばらくしてある目立つ物を発見した。
「――……うわっ。なにこれ?」
「ブルル……」
二人は通路から頭を出し、下を見て呟く。
そこに存在したのは広大な空間と共にあの黒い金属に埋め込まれた、全長百メートル以上の赤い結晶体。
首を傾げているマギルスだったが、それを見た後に膨大で禍々しい魔力がその赤い結晶体に集まり、循環している事に気付いた。
「……もしかして、これって……」
「ブルッ」
「やっぱり、そうだよね? ――……コレが、この街を浮かせてる
マギルスは笑いながら青馬を見て、下にある物体が探していた物だと確信する。
それは、クロエが作戦前に説明していた
浮遊都市を浮かべる施設と設備を、マギルスと青馬は発見した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます