現代が舞台ですが、雰囲気は中世~近世ヨーロッパ。盗みをはたらかなければならない貧しい境遇ながら、たくましく生きる少年たちの活力にあふれた姿が、ディケンズの『オリバー・ツイスト』やユゴーの『レ・ミゼラブル』などに描かれる子どもたちの姿と重なります。明るくて、楽しげで、けれど辛い現実が影を落としていて、彼らの元気な姿がラストには健気に感じられてきて、余韻の深い作品でした。