【ミスティブルー】

 薄暗がりの中

 淡いブルーのコートを着たあなたが

 ぼんやりとこちらを向く

「遅いじゃない?」

 囁くような優しい声


 ああ

 あなたはそういう人


 明確な色のイメージではなく

 いつも滲んだような笑顔で

 おっとりと話す

 柔らかい手の動きも

 静かな歩き方も


 ちっとも変わらない


 お互いにもう随分と会っていないのに

 数日前に出会ったような気楽さで

 近況を話している


 違和感があるようでないような

 その空気を無意識に操る才能


 ああ

 あなたはそういう人



 だから好きなのだ

 そういうあなただから好きなのだ


 ああ

 あなたはそういう人



 変わらず友でいてくれてありがとう





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