第56話 デン......。幸太郎より手強いかもしれない。(ホロ視点)

 お腹がいっぱいになった所で、デンが、隣の寝室から戻ってきた幸太郎の元に駆け寄っていった。

 やっとケージの入り口が空いた。



 元々開いていたのだが、デンが入り口に居座っていた為、俺はケージの外に出れなかったのだ。



 俺はケージの外に出て、お気に入りのソファーの上に飛び乗り丸くなった。


 いつも、ココはプディとデンに取られて俺は滅多に座れないからな。



 プディも、素早く俺の後を着いてきて隣で丸くなり、こちらに視線を向けた。




「ニャーン、ニャ(で、何か相談があったんでしょ)」



 朝のポカポカした空気に、まどろんでいた俺は、プディの言葉に我に返った。




 もう、俺、こんな事をしている場合ではないだろう!



 俺はプディに目線を合わせて事情を説明した。


 ミーに直接会いに行きたい事も伝えて、助けて欲しいとも言った。



「ニャーニャニャンナ、ニャニャ、二ャンニャニャーゴ(そうね、もうすぐ幸太郎、丁度出かけそうだし、その後なら何とかなるかもね、取り敢えず、ケージにまた戻されたら厄介ね)」




 俺はプディのアドバイスを聞き、なるほどと頷き丸くなって寝たフリをした。



 プディも俺にくっついて丸くなり寝たフリをする。




 お、おいプディ、ちょっとくっつき過ぎだろ?



 プディの肌の感触を間近で感じ、ちょっとドキドキしてしまった。



 やはり、動物は体温が高いな。





 幸太郎が俺達の側まで来て、俺達の様子を覗き込んでいる気配がした。



「ケージに入れようと思ったけど、プディとホロ、本当に仲良くなったな。可愛い。

まあ、玄関は鍵をかけておくし、居間の入り口の前に柵を置いとけば大丈夫かな? 

折角、こんな気持ち良さそうに寝てるのに起こしたらかわいそうだものな」



 そう甘々な声で呟いた幸太郎は素早く用意を済ませて、出かけていった。



 俺は細く薄目を開ける。


 目の前のプディの顔にビックリし、慌てて身体を起こすと、俺の横、プディとは反対側にはデンが居座っていた。



 あっ、幸太郎はコレでどうにかなったけど、デンどうしよう。



 下手したら着いてくると言いかねないし、それは危ないし、何より面倒くさい。



 ゆっくり薄目を開けて欠伸をしたデンがベロンと俺の頬を舐めて、また俺はゾワッと身体を震わせた。



 うーん。



 どうにかしてミーの元に行かなければ......。


 さっきまで眠そうにしていたデンだが、またクンクンと俺の匂いを嗅ぎまわっている。




 デン......。幸太郎より手強いかもしれない。

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