第14話 魔物の異常発生
オリビアがガブエルくんと遊んだ日の夜中、私はオリビアが寝ている間にこっそりと街の外に行こうとしていた。
目的は昼間に聞いた魔物の異常発生の原因を調べる為である。
魔物の異常発生の原因はいくつかあるが、どれも自然に解決するものではなく、放置すればどんどんとひどくなっていくものである。
だから私はこっそりと原因を突き止め、排除しようと考えていた。
魔物の数が膨れ上がると次第に魔力の多くある場所に引き寄せられる性質があるため、必ず魔力を持っ人が多く集まる近くの街などを襲撃するのだ。
『どこかにいくの?』
『あっ、起きちゃった? ちょっと街の外が大丈夫かを見に行くんだよ。』
『それ、私も行きたい。』
『えっ? 危ないよ?』
『ゾディアが居れば安全でしょ? それに一緒にいたい。』
『うーん。』
確かに現在のオリビアは身体能力だけならば大人顔負けではあるが、技術が無いしな……
『お願い……』
『ぐふっ……、一緒に行くしかないか。』
オリビアにお願いされたら断る訳にはいかないな。
『ありがとう!』
『じゃあ、まずは……』
オリビアの寝ている寝室には両親も寝ているので、オリビアが居なくなったのに気がつかれたら大騒ぎになってしまうので、睡眠の魔導で朝まで眠っていてもらうことにした。
そして、次はオリビアの装備だけど私がオリビアに合う全身鎧に変化する。
『わあっ、初めての変化だね! 何か身体が大きくなったみたい!』
『ふふ、名付けてブラックエンジェルバージョン。 念のためにオリビアには擬似的に大人になってもらったよ。』
オリビアの小さい身体を魔力の膜で覆い表面をイメージ通りの姿に変化させる事で見た目は大人の女性が全身鎧を着ているみたいになるのだ。
オリビアは金髪のキラキラした長い髪をしているから、変化後も金髪の美人にしておいた。
そして全身鎧は黒色に統一し、背中には小さい紫色の羽を付けておいた。 この羽は飛翔魔法を真似ており、魔力を流すとしっかりと飛べるようにもなる。
『それじゃあ、行こうか。』
『うん!』
まずは街の外に出ないとな……
オリビアの住んでいる街はグランザリアという、かなり発展した大きな街で、グラス王国内でも王都の次に大きな街らしい。
街の全周を魔物から守る巨大な壁で囲われており、オリビアの家からでも壁が見える位の高さがあった。
ハッキリとは分からないがこれだけ大きな街なのだから、街に入るのにも住民票みたいなものを提示しなくてはいけないかもしれないが、オリビアにはもちろんだがそんなものはない。
『こっそりと街から出るしかないな。』
『壁を飛び越えるの?』
『えっ? あの高さが30メートル位もある壁を? 流石に無理じゃないかな。』
あと数年もすれば簡単に飛び越せる位の身体能力になってるかもしれないが……
『今回は透明になって外に出よう。』
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