第13話 遊び
オリビアはガブエルと戦ったあとは公園にある木で作られた遊び道具で子供らしく遊んでいた。
『オリビア、楽しい?』
『うん! この重力負荷が楽しい!』
『えっ? そっち?』
アンチ魔法の筋肉低下は見た目でバレるので魔導による重力負荷に切り替えたのだ。
現在の重力は10倍にしてるのだけど、どうもオリビアには楽しいみたいだ。
『何か新しいスキルを覚えたよ!』
『ええ、何を覚えたの?』
重力負荷で取得出来るスキルってなんだろ?
もしかして超レアな反重力とかかな……。
『自然治癒ってスキル!』
『ああ! 自然治癒かぁ、内臓とかに負荷がかかっているから取得したのかも。』
オリビアのスキル取得スピードは異常だけど、自然治癒などは回復魔法の使えないオリビアには非常に優秀なスキルだと思う。
『これ取得してから楽しいよ!』
『それは良かったね。』
オリビアは重力負荷に慣れたかのようにガブエルと追いかけこして遊んでいた。
このペースでいくとオリビアの身体能力を隠していると更に加速して能力が上がっていきそうな気がしていた。
まあ、それでも身体能力が生まれつき化け物な勇者達や天使達に比べたら可愛いレベルな気はする。
特に勇者達は戦闘に特化した化け物だったなぁ。
みんなが固有スキルっていう不思議な能力を持っている上に魔法も使えて話を聞かないという厄介な生き物だった。
まあ、私はまともに戦うのが面倒だったから、勇者の射程外から全域に重力負荷100倍にして足止めをしたあと、自動追尾の遠距離魔導砲というレーザー砲で一撃必殺していた。
何度か戦った時はスキルを発動している間は不死身になるとか、スキル発動中は時間経過で身体能力がひたすら上がるとか規格外の固有スキルばかりたった。
だから倒すならスキルを発動する前に発見してからの、勇者が気がつく前に殺してしまうというやり方だった。
ってか勇者達が話を聞けるタイプなら私と戦う必要すらなかったのにな……
気がつくとオリビアのお母さんが冒険者の仕事を終えて迎えに来ていた。
「お母さん、私に魔法を教えて!」
「ええ、急にどうしたのよ?」
「ごめんなさいね、ミリア。 今日うちのガブエルと……」
オリビアに代わり、ガブエルくんのお母さんが今日起きたことの説明をしてくれた。
「なるほどね。 うちとしてはまだ早いとかなと思っていたけど、ガブエルくんが習っているならうちも検討してみるかしらね。」
本来は魔法の習得は魔力増幅にも影響するから早い方が良いとされているが、オリビアの場合は私が既に教えてしまっているから魔力量に関してはお母さんよりも多くなっている。
何とかごまかせないかな?
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