ソラ

時計ほっとけ

第1話

暗い世界にまるで光が射し込むかのように美しい音楽が流れ込んだ。

歌声は、まさに女神のようだった。

四角い世界に映し出された姿は、可愛らしさと美しさを絶妙なバランスで保っていた。


彼女はこの世界に彩を与えてくれた。


音楽を聴くのが好きだった。

何ら特別な出来事もなく、ただ毎日をこなし

変わることのない生活に飽き飽きしていた。


人の顔色を伺い、

自分の意見など必要とされず、

同意することを求められ、

機械の部品のような生活をすることに疑問を感じることすらなくなっていた。


そんなときに、このくだらない小さな世界に女神のあなたが現れた。


これは、憧れであり、恋ではない

決して、交わることのない世界

偶像であり、虚像であるはずだった


これは、神様のいたずらによってもたらされた出会いである。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る