アーバンダンジョン・14デットエンド
あほろん
ep:0 ビフォー・ザ・テンペスト
「Arrrrrrrrrrrrrrr‼」
ご自慢の長耳が吹き飛んで、
交差点に陣を敷くのは、中南系
しかし
臓物を垂らしながら進む任侠たちは死霊術の産物だ。
耳無し
全ての悪党が、その影を見上げる。
漁夫の利を狙う
ストリートが、戦火と血潮で赤く輝いていた。
「おい……」
そんなストリートに、一人の闖入者。
「今日はな、第四金曜日だ。俺にとっての、ハッピーデイなんだよ……」
「こういう日はな、朝は五段重ねのパンケーキを喰って、昼はチキンをバケツで。夜は
自殺志願者か、殉教者か、その男は無防備にストリートを突き進む。絶体絶命の
「それがよぉ……おめー……おめーなぁ……」
途端、男の足元の死体が俄に起立。術師死亡につき制御を失った
瞬間、
間髪を入れず、
そして、角の先端が、男の胸元に触れ――――。
「おま……えらは……」
巌から切り出したかのような、剛健たる掌が、頭骨の先端を握りしめる。ただそれだけで、巨獣が押さえつけられる。
死人たちの牙はどれも男の皮膚すら貫かない。魔法を纏った弾丸も、襟首を掴まれた死人達によって一つ残らず防がれた。
「爆乳サキュバスたちの代わりに、俺を癒してくれんのか?バストGカップいってんのかゴラアアアアアアッ!」
「GArrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr⁉」
巨獣が――夜に飛んだ。
その場にいる全ての者たちが限界まで口を開いてその光景を見た。
10フィートの巨躯が重力に逆らっていく様を、ただ茫然と見た。
やがて彼らを色濃い影が覆い――――仲良く、
「ハンッ……楽しい金曜日に何してくれやがる」
男が帽子を取る。露わとなったのは、猪めいた牙、焦げ茶の髪、そして――緑の体表。鬼といって差し支えない面相と、トレンチコートの下のインナー越しにもわかる筋骨隆々の肉体。
「それに、ここをどこだと思ってやがんだ」
その“
街灯には一枚のプレートが吊るさり、そこに記されるは、『
「俺の街で、ドンパチできると思うなよ」
ストリートから立ち上る硝煙は、歓楽街のビルを越え飛んでいき、宙に浮かぶ空中島や
この街に、月も星もない。
ただ
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