赤い闇

赤い闇 前編 知っていたつもりの大事件

 原題は「Mr.Jones」

 予備知識が無いので、山田氏や田中氏並にありふれた氏名のタイトルが出た時は「どこにでも存在する誰かの暗喩」かと思いきや、主人公ガレス・ジョーンズの事でした。

 深読みが、過ぎました(てへぺろ)。

 全然知らずにいましたが、1933年当時の西洋諸国では、最も有名な記者ですね。

 旧ソ連が行った「ウクライナでの人工的飢饉ホロドモール」を新聞で発表した記者です。


 ウクライナでの人工的飢饉ホロドモールって、高校の時に世界史で教わった記憶が有りまして。

 被害者数百万人規模の飢饉と聞いて、酷いなという感想は抱いた訳ですが、どうしてこの事件が日本に広まっていないのか? までは、考えは至りませんでした。

 インパクトは、聞いただけでも凄い内容ですよ。

 食糧の徹底的な強制徴収で、ホロコーストやポル・ポト政権並みの大虐殺が起きたのですから。

 コスパを考えたら、ホロドモールが一番性質悪いかもしれない。


 そんなホロドモールを取材した記者を主人公にした再現映画ですので、観賞すれば過去の知らない出来事を知る事になると思いきや、眼前に突き付けられたのは、今も行われているフェイクニュースの壁でした。

 大国に懐柔された、ピューリッツァー賞を受賞した一流記者からの攻撃。

 大国と揉めたくない政治家の不戦。

 そして、世間の無関心。


 規模や事件こそ違えど、今でも世界各地で起きている腐敗の構図が浮き彫りになりますので、嫌な汗が出ますよ〜、この作品。



 後編は、必ず観てから進んでね。


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