はらいそクラブ

はらいそクラブ 前編 いい映画の匂い

 ドヤ顔です。

 今回のエッセイは、ドヤ顔で書いております。


 「はらいそクラブ」を知った発端は、ツイッターですね。

 宍戸留美さんのリツイートで、「はらいそクラブ」という映画の監督が、クラウドファンディングで製作資金を募集していると知りまして。

 試しに予告映像を見てから「ふっふっふ、いい映画の匂いがする。これは投資してエンディング・クレジットに名前を載せてみよう」と判断して三千円という巨額を投資。

 程なく目的の金額を集めたとのメールが届き、「よかったのう、これにて一件落着。かっかっか」と水戸黄門スマイルをした後に、試写会に招待するメールも届いた。


 場所は大阪大東市キラリエホール。

 筆者の住む茨城県から、徒歩で118時間約五日の距離です。


 悩みます。

 そんなに仕事を休めないし。

 自宅から車で三十分圏内にシネプレックス複合映画観が四つも在る環境なので、無理して試写会に行かなくても、一般公開来年の秋になれば遠出せずに観賞可能な確率は高い。

 だがしかし。

 我慢出来ませんでした。

 いい映画の匂いを感じると、距離とか関係なく、観に行ってしまう性質でして。

 この匂いを初めて感じたのは、「2001年宇宙の旅」

 何度目かの再ロードショーかは知らないが、小学三年生の時1983年に夕刊の広告を見てを感じてしまい、父に頼み込んで都内まで遠征しました。観賞後に食べた焼肉屋の値段が二人で一万円だったので、多分銀座付近の映画館かと(笑)

 最近では、「若おかみは小学生」「武蔵―むさしー」

 この匂いを感じた時は、外れないんですわ。

 自宅からの距離など苦もせずに、遠征します。

 流石に大阪までの遠征は初めてですが。


 で、行って来ました、「はらいそクラブ」の試写会に。

 徒歩で。

 嘘です。

 東海道新幹線のぞみ で。

 投資した金額の約十四倍の交通費をかけて、日帰り旅行を致しました!

 コスパ悪い?

 考えるな!

 感じろ!

 

 「はらいそクラブ」の鑑賞後、俺はドヤ顔でした。

 俺の「いい映画の匂い」を感じる感性がと証明されたので。

 さて、前振り終わり。

 ネタバレにならない範囲で「はらいそクラブ」の紹介を。



 「はらいそクラブ」


 

 美しくも不穏に揺らぐ水面の光彩をタイトルに孕みながら始まる「はらいそクラブ」は、明敏そうな主人公ホンと快活な少女タッチンの、夏休み前の日常から描写していく。


 朗らかなデートの情景に滲む、恋心。

 タッチンの明るい言葉に忍ぶ、不穏。

 霊感少年ニクの才能が物語る、奇妙。


 タッチンの急死と共に、友達とも疎遠なまま夏休みに突入するホン。

 霊感少年ニクは、先祖代々の秘術「はらいそ参り」で「あの世」と行き来すれば、タッチンと再び会えるとホンに教えて実行。

 他の仲間も加えて「はらいそ参り」を何度も行うホン達だが、その代償は「この世」で恐ろしい災いを引き寄せていく。


 露わになる代償は、蓜島はいしま邦明の音楽で更に転調していきます。

 「世にも奇妙な物語」「Night head」「仮面ライダーアマゾンズ」を担当した蓜島邦明の音楽ですから、不穏な場面になると不安のビートが桁外れに昂まり響いて逃しゃしない、不可避の映画です。


 はい、紹介はここまで。

 一般公開は2020年秋だから、ネタバレ注意の後編を書くのも、その時期に合わせます。

 その公開版が、試写会版と全く同じという保証もありませんし。監督が「あ、やっぱ、あそこは公開前に修正しとこか」とか判断したら、変わるし。

 ただ…

 あのラストシーンだけは、変えないで欲しい。

 あれは物凄く大正解な名シーンだから。

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