九情承太郎の「この映画を勧めるぜ」

ターミネーター ニュー・フェイト 後編 T -８００の破壊力

　はい、ここから先はネタバレを含みます。

　映画を最後まで見ていない方は、引き返せ。

　まだ間に合う。

　諦めるな。

　どうでした、新型ターミネーターREV-9のコミ力は？

　飛行機から落ちたREV-9が、落下地点の小屋を壊してしまい、付近でバーベキューをしていた住民に「壊してすみません」と和かに謝罪して去って行くシーン。爆笑を抑えるのに大変でした。

　REV-9がコミュ力の高さを発揮する場面は多々盛り込まれていますが、「笑顔で謝って誤魔化す」って、素晴らしい能力ですよ。

　対して、潜伏の為にと日常的な方向にコミ力を発展させてしまったT-８００（シュワちゃん）の破壊力。

　REV-9に通用する秘密兵器が到着するのを待つ間、歓談で間を埋めようとT-８００（シュワちゃん）が繰り広げる世間話の詰まらなさに、あのサラ・コナーが根を上げて寝込むという（笑）

　サラを看病する名目でやや距離を置くグレースと違い、未来の人類の救世主ダニーだけは辛うじて微笑みながらT-８００（シュワちゃん）の「どうしようもない話」を聞き続けるという、度量の大きさを見せる仕掛けにもなっておりました。

　ターミネーター・シリーズが永く広く愛される理由の一つに、「未来から来た高度な人型殺人ロボットが、現代社会に解け込んで思わぬ苦労をする」様を丹念に描写している事だと考えております。

　シュワちゃんの出演やジェームズ・キャメロンの介入が今後どうなろうと、世界のギャップに戸惑うターミネーターの描写だけは、疎かにして欲しくない。T４はソコで失敗したので、忘れる奴はいないとは思うのだけれど…念の為に、此処にこうして記して置く。

　偶には関係者が読むであろうし。