第拾伍話―迷いの復讐其の参―
この異世界で最も多くのアンノーンオーブまたはチート能力と呼ばれる力を持つ転生者を倒してきたのはガロン。
絶対なる力を駆使する転生者をガロンはすべて辛勝している。
そんなガロンも今回ばかりは勝利を疑わなかった。されど情に
戦わない選択肢は
この惨劇がまた起きる前に滅ぼすと。決して揺るがない信念なのだが、
「これを使え」
馬車の襲撃で無能、役に立たないと嘲笑を耳に入った。
そして異能の効果を恩恵を受けてガロンのアンノーンオーブとは相性が良かった。
しかし復讐の相手であるのは変わりはしない。村を出て森を進んでいき足を止めるガロンは特製の毒矢が入った
「えっ?これって
「これで、俺と戦ってもらう。
これには毒矢が入っている」
「えっ、毒矢。それにガロンさんと戦うなんて」
「これは動けなくさせるだけだ。その後は俺を殺すか殺さないか好きにするといい。俺にはおまえと戦わないといけない・・・だから、戦え」
スライムさえ攻撃を
毒矢を避けることも弾き返す出来るガロンはそれでも戦えるようにと昨日から今日までずっと考えた。
「・・・分かりました。わたし戦います」
受け取った篭手を右につける。男性用のサイズだったのでやや大きいかったが、なんとか入れた。
「まずは、試しで使ってもらうぞ。これは、セーフティが――」
あらかた操作方法を教えたガロン。これから生死を分ける戦いをする重たい空気はなかった。
「それじゃあ、行きます・・・やぁ!」
近くの幹に向けて放ち進んでいく。衝撃は、ほとんどなく真っ直ぐ進まずにずれた方へ当たる。原因は空気抵抗。
「うわぁー、やった!
しっかり飛んでいって当たりました。わたし感動です」
「そ、そうか・・・」
不発しないか、はずれないかとマイナス思考が止まらずにといっぱいとなっていると普通に命中したことが、嬉しかった。
ガロンは(これで満足感になるのか?)と思いながら拍手を送る。
「フン、そんなことより装填だ。このレバーを引くとすぐに装填できる仕組みだ」
内ケ島は早速やってみた。装填した音が、まるで銃みたいだなぁと思い2度目を発射する。
ややずれて幹に命中する。
「カッコいいてすね、この武器」
キラキラと目を輝かせ篭手を見る。先程の恐れた表情などどこへやら。
「これでレクチャーは終わりだ。これで俺と戦ってもらうぞ」
ガロンは気づいたら弛緩した空気を元に戻す発言を発する。
明るかった内ケ島も表情が
「はい!分かりました」
「覚悟は出来たようだな。
その毒矢の段数はあと十発だ。
お互い得物を構えたら開始とする」
ガロンは説明を終えると距離を離れてニ槍を抜く。正面の相手を睨みつけるガロンの目に恐怖する。
後ろにある杖を構えると、当時にガロンは地面を蹴ってまっすぐ走る。どんどん距離が縮んでいき
内ケ島は篭手をガロンに前へ向けて毒矢を放つ。
「足を狙った!?下手な手加減をするなあぁ!!」
狙うなら当たりやすい胴体または一撃を狙うなら頭。ガロンはもう元は仲間でも年下の女の子だろうとただの復讐と見ている。
ガロンは右の槍で横に振るう。内ケ島の杖でガードするが衝撃が強く杖は高く天に向かって途中で落下して地面に落ちる。ガロンは内ケ島の武器が篭手のみ。
「お別れだ、これで」
トドメと二槍を振り上げると、ガロンが爆破した。
「きゃあぁー!?」
爆風に内ケ島は腕で顔を覆う。爆風が収まり腕を下げると、ガロンが倒れていた。
「ガ、ガロンさん!?」
駆け寄り、屈んで声を掛ける。
「ガロンさん!起きてください。目を覚ましてください!」
「・・・起きている。それよりも魔法を放った敵は」
うつ伏せのガロン声に安堵のため息をこぼした。そして、これが魔法によるものと分かると内ケ島は背筋が凍る。それは、魔法を使える敵がいる意味というわけで。
足音が聴こえた。視線を向けると
銀髪サイドアップ
「不意打ちで気絶するなんて、こんなに弱い奴がソウガを」
苦虫を潰したような表情をする美少女エルフはエレナ・フォース。
「いつ目覚めるか、分かりません。警戒感を
「「はっ!」」
指示を出すのはガイア・ガストロフィン。彼もエレナと同じく復讐を燃やすパーティの一人。
有馬颯牙を仕留めたに、ソウガの婚約者であるマリヤ・レイ・アウローラのアウローラ家にご助力を得た。
ガロンの討伐を精鋭部隊を借りて悲劇を生んだ戦闘現場の周辺を回っていたら、発見してエレナはすぐ
中級魔法[ディスフレイム]放った。
「ガロンさん騎士さんが
6人が来ます」
「一時休戦にするか、それとも――」
「一時休戦しかありません!」
漁夫の利と利用することを口にする前に内ケ島は遮り、迷いなく一時休戦と言葉をした。ガロンは両手を地面につけて力を入れる。
「あのアンノーンオーブを発動
できるか!」
「はい!」
内ケ島は魔法を使えない魔法使い。そして転生者の最強アンノーンオーブも状態異常回復と無効の広範囲のみ効果しかない。無詠唱で展開時間と持続時間は神速。
そしてエレナとガイアは。
「よかった。あの子を
助けること出来て」
「はい。ですが油断はまだ早いです」
エレナはソウガを討った鬼が新たな
「ねぇー、危険だから早く離れたほうがいいよ!」
口元に両手を作り三角形して声高に叫ぶエレナ。アウローラ家で尋問した後に串刺しの刑が確定かなとそんな物騒な事を想像することが増えた。エレナとガイアはゆっくりと足を進むと地面が光が走る。
「な、なにこれ!?」
「魔法?いや、チート能力か!?」
[絶対なる聖域]を発動した。
ガロンは両手を地面を押し素早く地面に立ち上がると同時に紛い物の疾風迅雷を発動。
「はああぁぁーー!!」
「がはっ!?」
「なっ!?」
落ちた2つの槍を広い精鋭の6人を打撃で気絶させる。疾風迅雷を速度を落して速めたりして相手の感覚をつかめずに一瞬の出来事だった。
「あの動き・・・なにかがおかしい。気をつけてガイア」
「ああ。私に続け!」
驚きはあったが、立ち直るのは一瞬。有馬颯牙と何度も
エレナは魔法の詠唱を、
ガイアは残り四人の精鋭と突撃。
「ガロンさん、わたしはどうすれば」
「そのままアンノーンオーブの維持だ。これぐらいの相手なら疾風迅雷の無制限で十分だ」
尋常じゃないほどの痛みを伴い命を
これで無双のアンノーンオーブに
「くらえぇぇーー」
ガロンは、ジャンプする。空中で横回転して敵の一番前にいるガイアを二槍で叩く。
秘技[ストロングハンマー]。威力が高いが命中も
そして、甲高い音が響く。
「ぐっ!なんて重たい一撃だ」
ガイアは防ぐことに成功すると、振り払うガロンはそのまま後方へ衝撃に逆らわず着地する。
秘技を使用した隙もすぐに終わる。
「剣技!ナックルバスター・・・」
次に仕掛けるのはガイアだ。
ジャンプして前の一回転しての大上段斬り。
「ソォォォォォーード!!」
渾身の一撃で決めようとする。
派手な動作に似合う威力とスピードがあるが単調的なのと
隙が大きいのが欠点。
「避けられないと思ったか」
ガロンは右へ
秘技ストロングドローの3回転して6回打撃によりガイアの鎧を壊し後ろへ吹き飛ばし地面を跳ねては返ってようやく止まると気を失う。
「ハッアァァァーー!!」
指揮をする者を倒せば兵は乱れるものと考えはしていたが精鋭は違った。俊速の剣技[ストライクソード]がガロンを
「奴は
疾風迅雷の速度を最大にして、秘技のスタンような時間を終わるとすぐに右へ避けてガロンはニ槍で騎士の鎧を叩き打つ。
「ぐはあぁ!」
そして、間断なく[ストライクソード]が来る。
最後の騎士もストライクソード。しゃがみ、鎧の上を打撃をして高く飛び地面に叩きつけ気絶する。
「なっ!?そんな・・・このバケモノ!!
闇を払い強く輝く
[シャイニングレイ]」
光の魔法使いエレナは、中級聖属性魔法を放つ。ガロンは左前に走り避けて向かう。
「ぐっ!闇を――」
「遅い!かけ[グァス]」
「なっ!?」
詠唱の言葉が速く内容が聞き取れずにどんな魔法が分からずエレナは杖を前にして防ごうと構え。
ガロンの右の
「えっ?針・・・どういうこと」
使ったのは初級魔法のライトニング。しかしガロンは魔法はかなり規模や威力が落ちた魔法となる。
驚異度は皆無に等しい。しかし、警戒をしてくれたおかげで、すぐに距離を縮めることに成功した。
「えっ?しまっ・・・」
「終わりだぁぁーー!!」
鎧で身を包んでいないため、あまり威力をこめず
(そんな・・・こんな所で死ぬの)
エレナは意識が途切れ気を失う。
ガロンは周りを見渡し伏兵や敵がいないと確認したと思わせて槍を収める。しばらく警戒して何も起きないと、今度こそ敵はいないと判断して疾風迅雷を解除する。
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