第121話 エドワード5世



茜たちはウインレルの青騎士団に先導されウインレルへ到着した。

城の前では驚くことに国王・エドワード5世自らで迎えてくれた。


「よくぞ参られたアルファ王子。遠路はるばるご苦労なことである。国を挙げて歓迎するぞ」


アルファは馬から降りエドワードの前に跪く


「エドワード国王陛下、自らで迎えしていただきありがとうございます」


「アルファ王子、早く顔を上げなさい。余と王子は親子になるのだから。

 さぁ、早く城内へ。召喚者の諸君も遠慮せず気楽に入城してくれたまえ」

と王自らが王子の手を取り城内へ案内した。


「なんだか、フランクな王様ね~ ファイレルもそうだったけどハルフェルナの王様たちは寛大な人が多いのね」

茜は加奈と見合った。


謁見の間に入ろうとしたとき茜たちは入口の騎士に止められた。


「謁見の間は剣の帯同は禁止されています。お預かりします」

と言うと騎士は茜にタナの剣を渡すように催促した。


「この剣、重いですから気をつけてください。信じられないくらい重いですから気をつけてください」

「ハハハハ、大丈夫ですよ御嬢さん。こう見えても王のお付きの騎士ですから」


「ホント、シャレにならないくらい重いですからね・・・・・・

 ヤッパリ、そこに置いておきますよ」

と謁見の間の廊下の隅を指した。


「大丈夫ですから!」


騎士が少し怒気を発しながら答えるとしぶしぶ剣を渡した・・・・・・

騎士が剣を持った瞬間


ドスン!!

と物凄い音がする


「うわ~~~~足が!足が!!」


騎士の叫びを聞くと周りにいたの騎士たちがあわてて寄ってきた。


「おい、どうした!」 


「足が、足が潰れる!! 早くどかしてくれ」


慌てて周りの騎士たちは3人がかりでタナの剣を持ち上げようとするがビクともしない。


「早く! 早くしてくれ!! 足が潰れる!!」


騎士の叫びは絶叫に変わった。

「だから言ったでしょ~人の話は良く聞かないと」

と言って片手でヒョイと持ち上げ廊下の隅に置いておくのであった。


「はい、ヒール」


「あ、あ、ありがとうございます。この剣はなぜこんなにも重いのですか?」


「これ、タナの剣っていうらしいわよ。何だか神剣といわれているようね」


「まさかと思ったのですが・・・・

 これがタナ様の剣なのですか!」

救いに来た騎士が驚きのあまり聞く。


「そうらしいわよ。女神がくれたからよく分からないんだけど、凄い剣みたいね」


騎士たちは何を言っているのかよく分からないというような顔をしていた。



「あぁ~それからこれも武器ね」


と言うと腰に差し込んでおいたピストルとマシンガンを取り出した。


「これは私以外触ることが出来ないから、そこへ置いておくわね」

とタナの剣の上に置いた。


「これは何でしょうか?」

騎士たちは先ほどのタナの剣の一件で全員が及び腰になり恐る恐る聞いてきた。


「これは私たちの世界の武器で銃弾が飛び出すようになっているの」


「銃弾とは何でしょうか?」


「あ~~、この世界で銃弾と言っても分からないか・・・・

 魔法の鉄球が飛び出すようになっているの。

 当たれば・・・・・死ぬ!! 危険なものです」


というと一段と騎士たちは及び腰になるのであった。 

茜たちが謁見の間に入ると王は玉座に座わっていた。

玉座の左には痩せた小柄の老人が左にはガタイの良い騎士が直立していた。      

王が座ると左の老人が

アルファは入ると跪いていた。


「頭が高い。王の御前である。平伏しなさい!」

と命令調で言った。


「レイラン! お前は堅苦しすぎる!」


「しかし、王。威厳が」


「威厳などどうでも良い。友好国の王子、さらには余の息子となる王子であるぞ。一々、跪く必要などない」


茜たちはあまりの王の寛大さにどうすれば良いのか迷っていたのだがアルファは跪いた姿勢を崩さなかったので、それに習う事にした。


「う~~~ん、アルファ王子固いの~ 

 謁見の間ではなく歓談の間に変更せよ。

 御茶や菓子の用意を忘れる出ないぞ」

とレイランに言って用意させ、謁見の間から気軽に話せる会談の間へ場所を移動したのであった。


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