第81話 オークゾンビの謎
「うわ~~~ アオ君、怖かったよ~~」
将太は俺の後から飛びつき泣きじゃくった。
「犯されるところだったよ~ オーク怖い。怖いよ~ アオ君、アオ君」
ガクガクプルプルと震えているのが分かる。
「泣くなよ、将太」
「だって、だって、僕。犯されるなんてこと考えたこと無かったよ」
「泣くな!」
と振り向き将太を見ると服は破られ胸とかピーとかが丸見えの状態だった。
思わず凝視してしまった。
「キャーー、見ちゃダメ!」
と言って体を隠し座り込んでしまった。
今や完全な女子になってしまった。
俺は慌ててランドセルから代えの服を取り出した。
「碧さんと聖女様って、ヤッパリそういう関係なのですね」
アレックスさんが降りてきて、とんでもない事を言い出した。
「ち、ち、違いますよ。もう何度、言わせれば良いんですか!! 将太は男なんですよ!」
「今は女性なのだから宜しいんじゃないですか?」
「よくありません! 白田君と緑山君は男性ですから」
七海も大急ぎでこちらにやって来た。
「碧! 将太、危なかったな~」
「危機一髪であったでゴザルな!」
智弘が下半身剥き出しで、則之は巨大な胸を揺らせながら駆け寄ってきた。
おお、眼福!
「ダメです!見ちゃ~!!」
といって七海が後から目隠しをする。
「あ~~~七海さん、則之の巨チチが見えないんですけど!」
「私が見せないようにしているんです!!」
「私なんか骨になっちゃったからオークに見向きもされませんでした!!
周りにいたオークはスルーですよ、スルーしていくんですよ!!」
柔らかい手と指が俺の両目を覆い隠す。
「ちょっと、七海さん、怒るところがなんか微妙にずれている気がしますけど」
「これでも女の子なんですからね!」
う~~~っむ、分からん、女心はよく分からん。
両目を塞がられながらランドセルから智弘用、則之用の服を取り出す。
「はい、OK」
と言って七海が目隠しを解いてくれた。
残念、則之の巨チチは服に隠されてしまった。今度機会があったら則之に見せてもらおう。
智弘の貧チチはいらないけど。
「一体、何があったんだよ。あのオークゾンビはどうしたんだ?」
将太はまだ震えながら俺に縋りついている。
「俺たちもよく分からないんだ。
ダンジョンから出て休憩しようとしていたら、いきなり奴らが立ち上り、オークに成って襲ってきたんだよ」
「あのヴァンパイアが魔法でゾンビにしたのか?」
「可能性はあるな。俺たちへの置き土産かもしれない」
「あのヴァンパイアはコリレシア兵を豚と言っていたけど何か関係あるのかな?」
「分からん。アレックスさんは何か知っています?」
智弘がアレックスさんに尋ねると。
「言い伝えで『異世界から来た心卑しき者は魔物になる』という伝承があります」
「それでコリレシア兵はオークになったのもしれないな」
「コリレシア軍隊は名ばかりの軍で『ならず者』と呼ばれているくらいだからな。
最も規律の低い軍隊で派兵先で強奪か強姦しか行わないので有名な軍だからオークになってもおかしくないな」
辛辣な智弘であった。
それでオークゾンビになったのかもれしない。
いや、多分そうなのだろう。
「碧、一つ気になったのだが、さっきから連射しまくっていたが、そのマシンガン玉切れしないのか?」
「確かこのオモチャは50発のマガジンを内蔵してあったはずだが・・・・・・余裕で500発くらい撃っていたんじゃないかな」
「玉切れしないということか?」
「予備のカートンも無しに連射して玉切れしなかったからな。玉切れしないのかもしれない」
「おいおい、ファンタージーだな・・・・・その下の出っ張りグレネードかなんか出るのか?」
「そういう設定だったけど」
試しにオークゾンビの死体の方へ向けて撃ってみた。
ポンという音と共に小さな手榴弾のような物体が200mほど放物線を描き飛んでいく。
「うわ~飛び出た! みんな伏せろ!」
まさか本当にグレネードが出るとは思っていなかった。
俺は半透明の紺色をした巨大焼肉プレートを楯にして見ていた。
ドボーン!
着弾すると爆発した。
え、マジかよ!
このマシンガン凶悪過ぎるだろ!
このオモチャの設定ではマシンガン部は普通のマシンガンの銃弾と炸裂する銃弾の切り替えスイッチがある。
試しに切り替えて撃ってみると
ドダンドダンドダン!
着弾後に炸裂するではないか!
グレネード部分も切り替えスイッチによって手榴弾、散弾、照明弾と変更できるようになっていた。
オモチャだったころは切り替えスイッチがあるだけで手榴弾どころか照明弾さえも発射できないダミーだったのだが・・・・・
今、切り替えて試してみると、しっかり照明弾、散弾が飛び出るでは無いか。
何気に照明弾は便利なのでは無いだろうか。
「これは凄い武器でゴザルな! 碧殿もこれで大暴れが出来るでゴザルな」
「玉切れ無しでグレネードも出せて、こりゃ凄い火力じゃないか?この銃だけでガルメニアと戦えそうだぞ」
「もう、トモ君もノリ君もアオ君をおだてるような事は言わないの! アオ君、調子に乗って最前列に飛び出て行くから!!」
あ~~ごもっともです。
俺もやれるぜ!!とか言って調子に乗って前に出て行く姿が目に浮かぶ。
将太のヤツはよく分かってる。
でも、スキルや腕は無いが体力とHPそれに武装は最上の物が揃っている。
頭には頑丈な両手鍋
中華鍋の胸当て
左手にはタナニウムで出来た巨大焼肉プレート
右手にはマシンガンを初め、まぐろ君、中華君、サックブラッドナイフ
入れ替えを簡単にするためにマジックランドセルを背負う!
フルアーマー碧!!
どう?カッコいいだろ・・・・・・・・・
頭の鍋とランドセルさえ無ければ・・・・カッコいいよな。
でも俺は知っている、この装備をするとアレックスさんが笑いをこらえている事を。
だって仕方ないじゃないか!!
鎧とか装備できない体なんだから!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます