第44話 山中 良雄


鈴木と星野のサンジョウ侵攻作戦に遅れること1時間。

俺のダイワ殲滅作戦が実行された。

俺のコリレシア軍一個師団の力がどれくらいの実力か実戦で試すことが出来る。

戦力は戦車100両、装甲車50両を主軸とした大部隊である。


ダイワの町から2kmのところに戦車を展開するのにもってこいの荒野が広がっている。

そこに布陣しサンジョウの町を戦車の大砲で砲撃をくわえるだけの簡単な仕事である。

ハルフェルナの騎士団や魔法部隊では何日掛かるかのだろうか?

俺の部隊ならほんの一瞬で終わるだろう。


赤城を初め多くの級友たちが戦闘を拒んだが俺はあの女神に感謝している。

現代日本に戻って何が楽しい?

平凡で退屈な毎日が繰り返されるだけだ。

それに引き換えハルフェルナは最高ではないか!!

ガルメニアにはいないが他の国へ行けば亜人、獣人、エルフ、魔族が・・・・

人を一人殺せば殺人者だが百人、千人殺せば英雄!!

これほど刺激的な日々を送ることが出来るなんて最高ではないか!

『女神に祝福』のおかげでこの世界で楽に生きていくことが出来る。


争いが嫌だ。

戦争が嫌だ。

人殺しが嫌だ。


何を寝ぼけている事を言っているんだ!

お前たちは女神から何を貰ったんだ?

戦うための道具だろ!

戦うための職業だろ!

若干一人、バカなヤツがいたが。ハハハハハ。

異世界へ来て調理器具が何の意味を持つ。

バカ以外の言葉が思いつかない。



ガルメニアの旗色が悪くなれば他の国へ寝返ってもいい訳だ。

これほどの軍事力を持ってさえいれば、どの国でも諸手を挙げて歓迎してくれるだろう。



・・・・・・・それとも俺が王となって国を作ることも可能だろう。フフフフ。

このハルフェルナに俺に勝る武力など有り得ない。

たとえ今は仲間のワレトラマンもズガーンダムでさえも。


1日3分間しか変身できないワレトラマンがどれほどのものだ?

人間のときに始末すれば良い。


ズガーンダムなんぞ的にしかならないだろう。

戦車がどういう進化をした考えれば簡単なことだ。

太古の戦車と比べ現代の戦車の車高は低くなっていて前衛投影面積は出来る限り小さくするのが当たり前なのに、

前衛投影面積の塊にしかならない人型ロボットなんて話にならない。

地上で戦っている限りあんなデカイ物が有利な分けない。

いくら頑丈に出来ているとはいえ砲弾を何十発も喰らって無事なわけがない。

アニメで人型ロボットが持て囃されるのは『大人の事情』ってヤツだ。


今回の作戦が上手く行ったら高沢と井原をもらうことになっているのだ。

栄えある俺のハーレム1号と2号だ。

本来なら七海が第1号になる予定だったのだが死んでしまったのなら仕方がない。

あの二人もいい体しているから楽しみがいがある。

従順な高沢と高飛車な井原を屈服させ俺好みに調教することにしよう。



コリレシア軍の諸君、俺の地位のため、俺のハーレムのため、頑張ってくれたまえ。


出でよ!我がコリレシア一個師団!!


山中がそういうとあたりをまぶしい光が包む。


荒野に 戦車が! 装甲車が! 1万人が出現した。


爽快では無いか。

荒野にズラーッと並ぶ戦車、装甲車。

兵士が一斉に俺に対して敬礼をする。

爽快、爽快。

気持ち良い光景では無いか。

1万人に自由自在に命令できるのだ。

兵士の並ぶ最前列に一人の男が立っている。


この部隊の指揮官キン・ブーン中将である。


「司令官、後は手筈どおり作戦を進めてくれ!」


「ハッ!」

とキビキビした軍人らしい動きで敬礼をした。


俺は野暮では無い。

細かい作戦はブーン中将の裁量に任せている。

軍隊の素人の俺が余計な口は出さない方が良いだろう。

ここは、ブーン中将の指揮能力とコリレシア一個師団に任せたほうが早い。

俺が命令したことは、ダイワの徹底な破壊、男の皆殺し、女は生きているのなら捕縛の3点だけだ。

そして、後方1kmにある小高い山に4台の装甲車両と共に退避した。



戦車が三列で横隊を組む。

指揮官の合図で一斉砲撃が始った。


ズドーン ズドーン ズドーン


1km離れていても腹に響く。

そして、空気が揺れるのが分かる。

爆音から10秒ほど送れて


ドカーン チュドーン ドーーン


と着弾した音が響く。


そして、また砲撃が始まる。


ズドーン ズドーン ズドーン


そして、


ドカーン チュドーン ドーーン


と。


砂煙を巻き上げながら装甲車が3列縦隊で突撃を始める。


その間も砲撃と破壊音は途切れることなく続いた。

装甲車部隊がダイワの町に着く直前で砲撃は止んだ。

戦車が町に向かって走り出す。

では、俺もダイワの町へ行くとしよう。

装甲車は走り出した。



戦車部隊を率いて町へ入る。

町の中はホコリが舞い上がってマスク、ゴーグルが欲しくなる。


辺りは瓦礫と死体の山。

火薬のにおいと血の匂い。

時折、銃声が響く。

また、一人、また一人、命が消えていくのだろう。

俺の命でなければ関係ない。


目立った建物は破壊されているが教会が残っているではないか。

目障りだ!

戦車に命じ破壊させることにしよう。


戦車砲が火を噴き教会がの鐘がある上部が吹き飛ばされる。

そして、教会の出入り口にある十字架部にもう一発撃った。


これで片付いた。


ダイワの町は3000人クラスの中堅都市だ。

サンジョウと異なりこの町は戦略上何の意味もない町で、今回の侵攻作戦の見せしめ的な意味合いを持つ。

徹底的に破壊と殺戮・・・・・・そして、陵辱をしてガルメニア抵抗することの恐怖を味合わせるための作戦だ。

女を犯すのも重要な作戦の一つ。

これから、お楽しみのお時間だ。

おっと、これは俺の立てた作戦ではない。フェルナンド王の命令だ。

臣下としては王の命令とあれば逆らうわけにはいかない。

今はフェンルナンドの臣下なのだから。

今は。ハハハハ。

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