第3章 転生者達とユグドラの達成度

第3章 第1話 新居、作ります

 朝起きたらしずかで鍛冶屋に行き、アダマンタイトの鉱石を加工したが、なかなか上手くいかない。

 これは長丁場になりそうだね。

 昼になりユグドラに交代、ベネットに治療スキルの座学を教え、近所の診療所で実地だ。

 こいつは覚えが速いねぇ。

 夜はアタシやディータで第9グループの魔法の解析だ。

 なかなか難しいねぇ……相変わらずルーン文字の表現は難解で、魔法名は分かっても効果が分からない。

 第9の8個の魔法の解析には時間がかかりそうだ。


 今のところ分かった事といえば、しずかで作成できるアイテムが増えた事くらいかね。

 これは作製一覧表を見ればわかるが、とにかく膨大な数が増えていた。

 鍛冶スキルの武器防具、大工スキルの家具や家、錬金術スキルの薬や宝石、裁縫スキルの防具や衣装、細工スキルのゴーレムや道具類。


 そうそう、スキル値自体も上限が上がっていて、今まではアイテムを使って120.0だったが、150.0まで上げる事が出来るようになっていた。

 ブラスティーとの戦いで斧と解剖学、魔法が120.1になっていた。

 またスキル上げに励まないとねぇ……ククッ、ふっふっふ、あーっはっは!


 いけないねぇ、嬉しくなってきたよ。

 そうかい、アタシ自身も強くなれるんだねぇ。




 そして久しぶりに全員が揃う日があり、近況報告がてら晩飯を食いに出かけた。


「凄いです! まだまだ強くなれるなんて!」


「いや凄くないだろ! 追いつけないじゃねーか!」


「あらアズベル、師匠に追いつけない方が私達も強くなれるわよ?」


「なら魔法教えろ!」


「いやー、私にはまだまだ理解できない強さになるんだネ」


 話しを聞くと、みんなもかなり面白い事をしていたようだ。

 リアは冒険者ギルドで魔法を教えたり、前衛職と接近戦闘の特訓、依頼も接近戦闘のみで達成しているようだ。

 アズベルは昔のメンバーと合流し、新しい連携技を会得。

 ベネットは一緒に居たが、治療スキルは良い感じに覚えている。

 エバンスは魔法ギルドのギルドマスター・ハリスを連れて無理やり冒険に行き、凸凹コンビとして有名になっていた。

 アニタは予想通り熟練者向け依頼を1人で平気でこなし、数回一緒に依頼を受けた冒険者から『笑う暗殺者』の異名をもらったそうだ。


 そして今後の話しをした結果、家が必要だという結論になった。

 いつまでも宿屋に居たら金がかかるし、生産系のスキルによってはあちこち移動する必要があり、それならいっそのこと1か所に全て揃う家を作ろう、と。

 

「いい考えだねぇ、丁度家を作る技術も得たところだ、どんな家が良い?」


「お城みたいなのがいいです!」

「ガッチリ防御の要塞だな!」

「可愛らしいファンシーな家がいいわ!」

「広い家!」

「お星さまが見える家ネ!」


 バラバラだねぇ。

 しかもアタシが考えた家とも全く違う。

 ここまで全員が違う意見だと笑うしかない。


「とりあえず何件か家を見てから考えようかね」




 何件か家を見て回った結果、ある程度意見がまとまった。

 ・人数分+αの部屋と広い工房

 ・リビング、キッチンは大きめ

 ・客室が数部屋必要

 ・メイドを雇うかは後々考える

 こんな所だ。


 ちなみに人数分の部屋というのはアタシやユグドラの6人も含まれるため、最低でも12部屋になる。

 それに客室と予備の部屋を入れるとなると、それこそ貴族の別荘クラスになっちまうねぇ。


 それに見合う土地となると数少なく、作業場もある事から市街地からは離れた場所の必要があり、最終的には2か所に絞られた。

 森に囲まれた湖のほとりか、小さな丘のふもとだ。

 どちらも中心部からは遠く、交通の便が悪い。

 周りの迷惑を考える必要がない、というのが1番の利点だねぇ。

 さて、ならどっちにするかな。


「湖だったら魚が釣れるのかな」


 そのリアの一言で湖の畔の土地に決定した。

 ここからはアタシの出番はないねぇ。


 キャラクターチェンジ

  ユグドラ

  ルリ子

 ⇒しずか

  番長

  ディータ

  メイア

 ◆ ルリ子 ⇒ しずか ◆


 体が薄く光り、自分の姿がゆっくりと変わっていく。

 黒いショートパンツと黒いストッキング、白い長そでシャツに茶色のチョッキ。前髪は切りそろえられ、首の後ろで髪を雑にまとめています。

 はい、しずかです。


「それでは実際に土地を見に行きましょう。それから図面を引きます」


 


 湖に到着しました。

 なるほど、対岸が見えないほど広い湖でしたか。魚も泳いでいます。

 周囲は木々に覆われていて、作業音を全く気にする必要がないほど周りには家がありません。

 これは……いいですね!


 早速考えていた間取りを図面に起こし、みんなに確認しながら修正を加えていきます。

 ふむふむ、ほうほう、それもいいですね。

 早速材料を揃えて建築にかかりましょう!


 完成予定は1か月後です。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る