第77話 神話級虐殺祭 そして……
うーん、一瞬で最前線が遥か彼方に。
防衛戦(笑)だな。
『ご主人さま』
「鳳仙さん、どうかしましたか?」
『こいつらちょっと変よ』
変?
「どういうことでしょうか?」
『倒しても倒しても沸いてくる感じ?』
?
どういうことだ? プレイヤーに見せかけた魔獣ってことか?
『我が主よ、なにやら怪しげな場所をみつけた』
「怪しげな場所ですか」
『なにやら人が涌いてくる』
人が涌く??
リポップしてるってことか?
『親分、なんか近付けない場所があるんだぞ。そこから敵が現れるんだぞ』
???
セーフティゾーンから敵?
『親方さま、消し飛ばした敵兵が復活したいたでござる』
兵士が復活……どういうことだ?
……。
倒しても倒しても出てくる、リポップ、セーフティゾーン、敵兵の復活。
…………。
ああ! もしかしてっ。
「紅さん!」
『どうした我が主よ』
「その怪しい場所って、もしかして紅さんの好きそうな彫刻かなにかがありませんか?」
『おお、よくわかったな。妾の興味をそそる石像が鎮座しておるぞ。悔しいかな近づくことはできんがな』
やっぱりか。
俺の予想が正解なら、えらい便利なアイテムもあるもんだな。是非とも俺も欲しいところだ。
「紅さん、私の予想ですがその石像はプレイヤーの復活拠点です」
『ふむ、なるほど』
さて、俺の予想があってるとなると……ちっと厄介かもな。
『戦場にこのようなものを配置するとは、愚かな。まあ、お陰でやりやすくはあるがな』
は?
『生き返る者全てを、消し炭に変え続けるだけでいいのだからな』
え?
『よし、終わったぞ我が主』
へ?
「あのちなみに何をされたのですか?」
『簡単だ、燃え続ける極焔で石像の周りを覆った』
「ゴクエンですか。なんだか、凄そうな感じですが」
『ふむ、この街を壊すなとのことだったからな。それなりに威力は押さえてあるし、地面が溶けないように処置もした』
地面は普通溶けませんが………。
しかもその言い方だと、地面に触れたら溶けるってことですよね?
『まあ、燃え続けるといっても3日程度しか持たぬしな』
地面を溶かすほどの火力の炎に3日間囲まれっぱなし……。
『さて、我が主よ。いまの話を他の者達にも伝えてくれ』
っと、そうだった。とりあえずそういう力を持つ施設がある可能性は皆に伝えないとな。
『妾の対処法も一緒にな』
……わかりました。
便利なはずのアイテムが一瞬で悪夢を作り出す装置に早変わりだな。
『うむ、妾は同じような場所がないか探してくる』
見知らぬ皆さんへ……
合掌!
▼ ▼ ▼ ▼ ▼
「あらかたの連中は片づいたみたいね」
「こっちも全部片づけたんだぞ」
「妾の方もだ。目に付いたあの愚かな道具への処置もな」
「鳳仙さん、ロカさん、紅さんお疲れまです」
「私が確認したところでも、あの道具への処置はすべて完了しているようです」
うーん、さすがセリスさん。
それにしてもセリスさんの諜報力が半端ないんだが。
「くぅーん」
そしてこのわんこはなんで凹んでるんでしょうね?
「ソフィアさん?」
「きゅーん」
反応はするけど……。
「くぅ~ん」
こりゃ駄目だな。
「えーと、どなたか説明をお願いします」
「ご主人さま。ソフィアちゃんはねご主人さまのお役に立てなくて、ちょっといじけちゃってるのよ」
?
「十分な戦果を挙げてくれていたと思うのですが」
「あの次から次へと敵が出てくる道具があったじゃない?」
「ええ」
「あれの処置をね、ソフィアちゃんだけうまくできなかったのよ。具体的に言うと出てくる相手を一一全部粉砕はできるんだけど、紅ちゃんがやったように常設的に相手を封じることができなったの」
ああ、ソフィアさんは典型的な近接攻撃タイプだからな。紅さん達のような器用な力の使い方はあまり得意じゃないってことか。
「それがどうにもショックだったらしくてね」
「わかりました。あとは私の方でお話します」
「よろしくおねがいするわね、ご主人さま」
さて原因さえわかれば、対処のしようはある……かな?
「ソフィアさん」
お、耳がぴくっとなった。
しかしあんだけ力があっても、こういう部分で案外脆いところもあるというか、可愛らしいところもあるんだよなあ。
「ソフィアさんは一番槍で数十人の敵兵を一瞬で消滅させてくれたり、前線の敵兵を拳の一撃で30人消し飛ばして、四撃くらいで崩壊させたり」
まあ、可愛さの上にあるヤバさが洒落にならないのは変わらないけどね。
動きを見てると、あれでもかなーり手加減してたからな。
「沢山活躍してくれたじゃないですか」
お? 耳がぴくぴくしてる
「私はとても感謝していますよ。だから元気出してください」
「拙者、御屋形様のお役に立っていたでござるか?」
「もちろんですよ」
しおれた耳がピンとした。
「わふーー!」
「おぶあっ」
フライングオーシャン!
「わふわふ」
「あらあら、どうやら元気になったみたいねソフィアちゃん」
「それでは市長、ソフィアさんの士気も高まったところで、追撃作戦のお話です」
へ?
「追撃ですか?」
「こちらにに余裕があるのであれば、敗走する相手への追撃は基本かと」
そういやイベント戦終了のアナウンスもないな。
「こんなも事もあろうかと、指揮官と思われる者に印をつけて逃がしておいてありますので」
ああ……なるほど。
相手方の敗北条件が満たされてないのか。
「どうやら彼の者たちはハバメヤメと呼ばれる城に逃走した模様で、そちらに本当の首謀者がいる模様です」
「ふむ、となれぱ次は妾達が城を攻める番だな」
え? 相手の城を攻めるの?
俺の知ってる防衛戦となんか違う気がするんだけど。
「市長、火鱗族の族長様に今回の戦闘の主権は譲渡いただいておりますので」
は? てことは俺が大将?
「この戦に勝てば、御屋形様の領地が増えるということでござるな!」
ちょ、え、マジ?
「鳳仙様」
「なにかしらセリスちゃん?」
「海を越えるための乗り物を用意できないでしょうか? 市長は
まだって、いつかできるようになっちゃうってこと?
「ふむ、セリスよ。それならば妾にあてがある、しばし待っておれ」
「よろしくお願いいたします」
えーと……
「ここからは……」
?
ロカさん?
「ボク達の求めた戦いだぞ!」
どっかのカテゴリーがあれな兄弟ですか?
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