第20話

それから十年間、10回。

最初のハロウィンでお願いした通り、彼は前日に会いに来てくれました。

当日も会いました。

みんなより多くの時間を彼と過ごしました。


───だからその分、最後のハロウィンは悲しかったんです。


お互い分かっていたのに、それでも会いたくて。

彼は最後まで私からしかお菓子を受け取りませんでした。

優しすぎて、嬉しくて、辛かったです。


最後の『さよなら』が哀しくて───。


きっともう会えません。


……誕生日を向かえる頃には、村を出なければならないから。

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