婚約破棄という運命から逃れられない

一ノ瀬 彩音

第1話 運命

私には大好きな人がいるのですが、相手は貴族のお方で

とてもお優しい人なのはわかるんですけど、時々、

波長というのが合わない部分がありましてつらいのです。


そういう事が続いているとある出来事が起こってしまうのです。


私のお名前はクリス・ミルスで年齢22歳です。

クリス家のご令嬢をしているのです。


相手の大好きな人のお名前がファミル・ラーダで年齢28歳です。

貴族の方なのですが、私より年上の方です。


ラーダが私と婚約のお約束をしているのですけれど、その婚約を

破棄したいという風に言ってくるのです。


しかし、私からすれば婚約破棄されてしまうと今までの努力、

尽くしてきたのが水の泡になってしまってつらくなります。


そんな私はどうにかして婚約破棄を阻止しないといけないのもあって

どうしていいのかもわかりません。


現在、私はファミル・ラーダのお家に来ているのですけど、ラーダと

もちろんお話をするために来ているのです。


ラーダが私の目の前に居るのですが、こちらの事を睨みつけてきてて

怖いというか脅しているようにも思えます。


それでも私は婚約破棄を阻止しなければ結婚も出来ない。


「ラーダ、婚約破棄するのはやめて、お願いよ」


「嫌だね、婚約破棄させてもらうからな」


「私は嫌よ、ラーダと婚約したいの」


「何を言っているんだ、婚約破棄するのに婚約なんてしない」


「どうして婚約破棄するの?」


「理由か、そんなのは何もありはしない」


「何もないのに婚約破棄するのね、ひどいじゃない」


「ひどくなんてないさ、婚約破棄したいからするだけだ」


「もうっ、何でわかってくれないのよ、馬鹿!」


「馬鹿とは何だ、失礼じゃないか」


「ご、ごめんなさい」


「謝っても許してあげないし、婚約破棄させてもらうのも変わらない」


「どうしても婚約破棄するというのなら納得がいく理由を頂戴」


「それは無理だ」


「どうしてなのよ」


「そういう風にいって時間稼ぎをするつもりだろうが、

そんな事はさせるつもりはない」


「バレていたのね、残念」


「いい加減に婚約破棄を認めてくれ」


「わかりましたよ、認めますよ、認める」


「これで婚約破棄は成立だな」


「そうですね、良かったですね、じゃあね」


私はラーダの事をすぐにでも忘れたいのでラーダが住んでいる家から出ると、

そのまま私は自宅へと戻ります。


自宅へ戻っている最中に誰かに声をかけられても無視をして自宅へ直行

しているのですが、急に目に涙が浮かんで泣き出してしまうのです。


私の恋愛ってこんなものなのかなって考えてしまうと、つらくて、

悲しくて、苦しいという感情が出てきます。


こんな事なら恋愛なんてするんじゃなかったと思うのは私だけでしょうか。


それでも私はラーダと恋愛した事は後悔もしてないし、

恋愛してて楽しかったので嬉しい限りでした。


婚約破棄された事によってショックが大きすぎてつらいのも事実なので

これから恋愛は控えようかなと思います。


長年付き合ってきて婚約までいってたのに婚約破棄されるとここまで

つらいとはよくわかりましたのでこんな思いはしたくありません。


次の恋愛をする頃には必ず幸せを手に入れて見せます。

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婚約破棄という運命から逃れられない 一ノ瀬 彩音 @takutaku2019

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