おじさん(国王)
おやおや、こんなところまでどうしたのかい?
え”婚約破棄を知りたいって。
やれやれ、家訓の関係か。
王さまはね、婚約破棄はしていないよ。
元々、王太子じゃなかったし、国王になる予定でもなかったからね。
だから、国外に出ることも制限は無かったんだ。
だから、連れ去られた国外へ入ることも出来たし、あの子…
王妃ね。
も、奪取できたのだけども。
いやぁ、危ないところだったよ。
少し遅れていたら、どんな事になっていたか。
導火線に火薬って分かる?
魔力って怖いよね。
暴発を通り越して、音速爆撃って感じ?
音で全てを破壊する。
こっちは、網水束縛だったからねぇ。
え?なんだか聞いたことない?
空気中の水分を操作する魔法で、対象範囲の全ての行動を束縛、制限するものだよ。
それはいいや。
王妃が無理矢理結ばされていた婚約をほとんど脅迫で破棄させて、王さまがもらったの。
ああ、兄上はおどろいていたよ。
仲良し元婚約者と再会した時。
でも、兄上には婚約したばかりのお姉さんがいたからね。
まぁ、互いに懐かしい思い出話をしただけで、それ以外は何もなかったよ。
むしろ、お姉さんと王妃が意気投合してしまって、
家訓が、“婚約破棄は遺伝だ”ってことになったらしいけれど。
え?違う?
おっかしいな、そう聞いたのだけど。
***
お母さんとお姉さんの結託かぁ~
婚約破棄が遺伝なわけない。
転生前に散々読んだ本に、そんな事あったっけ?
覚えていないなぁ。
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