*非日常の人物表と設定*

 非日常編での人物紹介(軽くプロフィールまで)





松木アキラ(松木明) 劇団JIN所属 芸歴14年

25歳 多数の舞台に出演歴


ひょうひょうとして物事にとらわれない自由さ。

肯定的な得体の知れない感じがある。

一見とぼけた好青年に見えて、その実キモく、変質者であり変態。

面倒見とノリが良く、児童劇団の男の子達には慕われている。

スタジオに入り浸り、寝泊まりもすることが多い。

成るようにしか成らないと達観している一方で、

その為の努力は惜しまない性格。


その役を自身の性格のように取り入れ、観るものの真に迫る演技。

『芝居であることを忘れさせる』演技に長ける。

そこまでの演技に至るまで、公演ごとで膨大な練習量が不可欠。

役と向き合う故に、変態的な行動に拍車をかけている部分がある。






紙谷リョウジ(紙谷良二)JINプロ児童劇団 座長(総務取締役)

中年と呼ばれる歳。元・劇団JIN所属


しかめっ面の内側で、一人一人の練習修正、助言などを組み立てる繊細さがある。

長い舞台人としての経験から『上が厳しくなければ劇団は立ち行かない』

と自分を律している。

性格は義理や人情に重きを置く、自他ともに認める古臭いタイプの人間。

役割としての厳しさが独り歩きしている面があり、

本人は仕事に支障がないので、それでもいいか、と考えてる。

人の才覚(芝居の面に限る)を見抜く力に優れ、

経験上、人を使ったり、人を活かすことに長ける。





《第九番のキセキ》 児童劇 設定 


街を支える柱を維持するため、延々と働き続ける《キュウ》。

ある時、なぜ周りに柱が必要なのかを考え、働く仲間に聞きまわるとそこから追い出されてしまう。

あてもなく歩いているうちに、考えもしなかった疑問がふつふつと沸いてくる。

偶然、似たようなことを思っている者に出会うと、こんなことを言った。


『ボクらは、心の部品が外れて、余計なことを考えるようになってしまったんだ』

『ついてない。そう思うのも胸に隙間があるからなんだ。ああ本当についてない』

『不思議だ。なんでずうっとずっと柱のために働いていたんだ?』

『柱は何のためにある? 周りじゃ誰も答えないぞ』

『ボクらには役目があった。でも本当に役に立っていたのかな?』

『確かめに行かないか? このモヤモヤした気持ちが晴れるかもしれない』


柱から別の柱へと旅をするうちに増えていく、どこか部品の外れた仲間。

街の外をぐるりと囲む、柱の意味。

次々に遭遇する困難と疑問。捨てられた部品が集まって動く、かいぶつとの邂逅。

旅のはてに出す答え。


 命題は、自分との向き合い方。

 1920年頃に日本の大衆演劇として作られ、

 その後に紙芝居、人形劇、テレビ劇と、時代の流れで推移していく。

 戦前と戦後で若干のアレンジ(残酷な描写の削除)などが施されているが、

 魅力の一つである登場人物の愛嬌や憎めなさ、コミカルさは損なわれていない。


『勇気(恐怖の心が欠け落ちている)』

『希望(不安の心が欠け落ちている)』

『自由(自律の心が欠け落ちている)』


など、それぞれに足りない部品を補い合い、問題に立ち向かって行ったり、

マイナスの感情をプラスに昇華していく過程もカタルシスを感じるところである。



 機械のように働く場面、

 疑問からやがて自由を求める場面、

 仲間達と心を通わせ、一致団結する場面など、

 当時の大人から子どもまで共感する人が一定数いた。

(戦争への風刺や、思想・言論の自由も裏の命題になっている)

 高度経済成長期においては、社会人・大学生に支持があり、

 規制されていた演劇を大きく発展させる演目の一つになった。


 裏の命題ゆえに度々学生運動や危険思想などで利用されたり、

 部品の外れた者、という意味で登場人物の名称を身体障害者に当てはめて吹聴したりと、悪名が付いて回った時期もあるが、基本は『オズの魔法使い』『ブレーメンの音楽隊』『桃太郎』といった児童文学にあたる作品である。






 芦田ひかり(芦田光) 舞台スタッフ 照明兼衣装部門

 25歳 元・JINプロ児童劇団所属


 周りの人間関係を取り持てる器量と寛容さがあり、

一緒にいて安心するタイプの女性。

若干の大ざっぱさ、気風など男気もあり、児童劇団の女の子から人気がある。

集団での役割をはっきり分けるタイプで、自分の仕事に責任とこだわりを見せる職人気質な性格。

 そのため児童劇団時代は視野が狭くなることも多く、意識して改めるようになった。現在は裏方の照明を任されている。





 相原たか子(相原貴子) JINプロダクション 社長

 1960年代生まれ 元女優


 芸能の移り変わりが激しい時期に生き残った女優の一人で、

 その経験は比肩するものはない財産だと確信している。


『華やかさのある女優や俳優を見て来て、それは天性の才覚で私には持ち得ないものと痛感した。女優として活動し、最後までそのイメージは払拭できなかった』と語る。


 目標は常に高く、乗り越える努力を怠らない、自分に厳しい性格。

 周りに厳しさを強要しないよう戒めているが、必要以上に緊張感を持たせてしまっている現状が悩みの種。






 七瀬あやね (七瀬彩音) JINプロ児童劇団 所属

 失踪当時15歳


 芸人気質。(松木アキラ談)

 人をやる気と笑顔にさせる天才。(芦田ひかり談)

 周りを活かし、自分も活きるようなことを常に考えてる子。(紙谷リョウジ談)



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