壁の向こうにいる彼女

山下 猫

第1話 出会い

いつもの通学路、いつもの時間、いつもの学校......俺はこんな生活に飽きていた。


「俺も恋の一つや二つしてみてぇな」


直輝はそういった.....


「まぁ確かになぁ、正直最近可愛い子見ないし」


 智樹はそういった......





「直輝!直輝起きなさい!」


母の声だ。俺は身支度を整えいつものように電車に乗った。


「ほぁぁぁあ、ねみぃ」


直輝はふと前を向いた。その瞬間前の電車に乗ってたJKに目がいった。


「なんだあの美人JK、可愛すぎんだろ」


電車は走り出してしまった。




「なぁ智樹、電車越しの出会いってありだと思うか?」


智樹は今にも笑い出しそうな声で言った。


「はぁ?なにそれ、ちょーうけんだけど」


智樹は笑った。


「こちとら真剣に聞いてんだよ、どうだと思う?」


「どうだと思うって、仮にありだとしてもどうやって距離を縮めんだよ」


直輝はため息をついた。


「そうなんだよなぁ、どうすれば......」


智樹はニヤニヤしながら言った。


「ならさ、朝じゃなくて放課後会いに行けばいいじゃん、放課後なら時間あるし」


「あ、そっか、その手があった、今日の放課後駅に行ってみるわ」


俺は期待を胸に放課後を待ち望んだ。











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