第27話「絶景スポット」



「変わらない日常ほど、退屈なことってないんじゃないかしら……ねぇ、歩?」



 今日も今日とていつもの放課後、


 図書館で大人しくクソつまらないB級ホラー小説を読むフリをしながら、机の上に『ぐでぇ~』と倒れこんで潰れる雫の巨乳をガン見する僕に向って、彼女は退屈そうに呟いた。



「そうかな? 一応、僕はこのままの状態が続けばいいなと思っているけどね」



 だって、その方が雫の押しつぶされる巨乳が目の前で見放題だし……



「歩のスケベ……

 さっきから、本を読むフリして私の胸元ばっかり見てるの気付いているんだからね……?」


「しかし、残念!

 実は僕も、僕が雫の胸元をガン見していることに雫が気付いると知っていながらも、僕はあえて雫の胸元をガン見していたのさ!」



 だから、僕が雫に胸元をガン見しているのを指摘されようが『スケベ』と罵られようがそれらの『ご褒美』は僕に対してはたいしたダメージにはなりえないのさ!


 むしろ、逆にそれを自ら告白することで雫に『見られている事に気付いて余裕ぶっている雫を実はガン見していた』という事実を突きつけさらなる羞恥心のダメージを雫に与える事ができるのだ!


 僕の好感度を犠牲にしてね……。



「はにゃ!? ななな、歩って、本当にバカじゃないの!?

 バカなんでしょう! やっぱりバカだわ! ババ、バカで……

 どうしようもないド変態だわ!?」



 うむ、どうやら雫は僕の指摘によって胸元を見られ続けるのが恥かしくなったようで上体を起こして胸元を両腕で隠してしまった。



「はぁ、いい眺めだったのに、残念だな……」


「何が残念なのよ……。この変態!」



 おや、どうやら雫はさっきの僕の発言をなにやら勘違いして受け取ってしまったようだ。


 ならば、これは誤解を解かなければいけないだろう……。



「雫、何か勘違いしているようだから訂正しておくけど、

 さっき僕が『残念』だと言ったのは『雫の胸元』が見えなくなったことじゃなくて……

 雫が『この程度で恥かしがる』ことに大して残念だと言ったんだよ」


「……はぁ?

 ちょっと、歩……貴方、今この私をなんて――」


「やれやれ、まさか『学校一の美少女』を名乗る雫が……

 たかが『ぼっち』一人に胸元を見られた程度で恥かしがるなんてなぁ~?」 チラリ?


「歩! あなた言ってくれるじゃない!?

 な……なら、上等よ!

 たかが歩程度の『ぼっち』一人に胸元を見られるくらい……

 は、恥かしくなんかないんだから!

 ふ、フン……!

 そこまでいうなら、気が済むまでみればいいじゃないのよ!」



 そういうと、雫は再び、僕に胸元の谷間を見せるかのように机の上に上体を乗せ自らの巨乳を押しつぶして見せてくれた。


 ……計画通り!



「あ、歩なんかにジロジロ見られるくらい……

 は、恥かしくなんてないもん!」



 そういう雫の顔は真っ赤にプルプル震えてとっても可愛らしかった。


 さて、後何分くらいその姿勢で我慢できるかな?


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