第32話妖狸町中華10
防衛駐在官と専門調査員はいい仕事をしてくれた。
防犯カメラやカメラ装備ドローンを駆使してくれた。
敦史君達に集団ストーカーをしていたのは、やはり教団員だった。
某半島国の武装犯罪グループとは違い、特殊訓練など受けていない。
誘拐事件の時より簡単に設置撮影できた。
だが想定通りの問題があった。
教団側は、多くの教団員を投入し、特定の人間に犯行させていない。
個々の教団員が敦史君達に嫌がらせするのは、一度だけだろう。
それで脅迫だと証明するのは難しいい。
組織的な脅迫に違いないが、現行法で裁くのは難しい。
社会的に制裁を加えたくても、マス塵は奴らの賄賂で骨抜きだ。
番組スポンサーと言う名目の莫大な賄賂を握らせている。
取りあえずは、SNSで教団員の嫌がらせを拡散するか?
県や市レベルの嫌がらせなら中止するだろう。
本部が動いているなら、動画消去の圧力をかけてくるだろう。
「弁慶。
動画を拡散して、様子を見るべきか?
それとも裏から圧力をかけて、内々で収めるべきか?
剣鬼の言うように、思い切った手に出るべきか?
どう思う?」
「剣鬼の策はもっと追い詰められてからです。
ここは母国ではありません。
軽々しく人を殺してはいけません。
まずは敦史君達を安心させてあげる事です。
王子が動いた事をお母さん達から聞いたのでしょう。
動画の中の敦史君達が穏やかになっています。
ですが長引けばどうなるか分かりません。
王子が直接大丈夫だと話して安心させてあげるべきです」
なるほど。
確かに弁慶の言う通りだ。
一番大切にしなければいけないのは、敦史君達の笑顔だ。
教団を潰すとか、指導者の息子を殺すとかは、敦史君達の笑顔を取り戻すための手段であって、目的ではないのだ。
教団や政党だけでなく、某半島国の武装犯罪者グループからも護りたい。
護るだけではなく、安心させてあげたい。
笑顔で暮らす事ができるようにしてあげたい。
その事を一番に考えて、ありとあらゆる方法を模索しなければならない。
「どうすればいい、弁慶。
どうすればあの子達に安心な生活を与えてやれる⁈」
「まずは通学路に防犯カメラ網を設置したことを教えましょう。
いえ、敦史君達だけではなく、世間に周知徹底しましょう。
そうすれば敦史君達が安心するだけではなく、犯罪を抑止する事ができます」
確かに弁慶の言う通りだ。
だがどうする?
今我々が設置した防犯カメラは、非合法的に設置している。
多くの民家や公道に無許可で設置した物だ。
公に公表できるものではない。
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