第28話妖狸町中華6
心配だったので、翌日も早朝から大将の様子を見に行った。
客が途切れているのか、それとも以前に増して大繫盛しているのか。
結果としては、大繁盛していた。
流行りに乗りたい浮ついた者達が、一斉に押し掛けたのだ。
だが今回は事前にSNSで事情を説明しているそうだ。
店の前にも説明文が掲げてある。
それでも批判をする者もいるし、不平不満を言うもの見る。
だが、常連客と待遇が違うのが嫌な人は、最初から来なければいい。
案の定一部のマス塵は店を叩く報道をした。
教団と政党も以前の恨みを晴らすべく、陰に回って批判した。
だが地元の人達は応援してくれている。
一年もすれば、浮ついた客は来なくなる。
そのつもりで人を雇い店を運営していかないと、人件費と家賃で潰れてしまう。
それまでは一家一丸となって店を護るそうだ。
小規模住居型児童養育事業として、敦史君達を世話していた孫達が店を手伝っている。
逆に敦史君達は、自分達から店の手伝いを止めた。
自分達が手伝う事で、店の邪魔になると理解しているのだ。
敦史君達は、小規模住居型児童養育事業登録くしてある、お母さん達の家で大人しくしているそうだ。
お母さん達の批判記事を書こうと、客に偽装して店に来ていた記者は、肩透かしを食った。
前回の事を逆恨みしているマス塵関係者は掃いて捨てるほどいた。
特に倒産した出版社の記者は、系列の新聞社や出版社に入り込み、虎視眈々と機会をうかがっていたのだ。
これ幸いとやって来ていたが、常連客と一見客の区別以外の批判ネタがなかった。
だがこれを批判したら、一見お断りも予約制も批判しなければいけない。
余りにおかしな記事を書けば、前回の二の舞も有り得る。
腐れ記者も慎重になっているようだった。
そんな腐った性根の屑記者共だが、皆判で押したように帰りに酷い捻挫していた。
何かに魅入られたように、皆同じ場所で躓き、足首を捻挫するのだ。
いや、足首だけではない。
何故か手を突く事ができず、顔面からアスファルトの道路に突っ込み、鼻骨骨折や前歯をへし折っていた。
まさに天罰覿面と言うところだ。
だがその全てを店の中から見ていたわけではない。
混雑する店に何時までもいるほど厚顔無恥ではない。
店の外から様子をうかがっていたのだ。
そんな俺に、弁慶達は真面目に探偵業に励むように苦言を呈する。
確かにその通りだ。
探偵がしたいと言って、母国を出てきたのだ。
だが、敦史君達は勿論、お母さん達も心配なのだ。
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