第135話「第四部の登場人物」
――聖王国
神聖騎士団長 マズロー・クレイギー 三十八歳
代々神殿の警護、聖王の近衛軍を務めていた神聖騎士団団長。聖王国の男爵でもある。
頭が固く旧来の戦法を捨てられない神聖騎士団は、大宰相リシューの改革にも反対していたのでタダシ王国への奇襲作戦にも加わらずそのまま生き残った。
もっともどうしようもない守旧派が生き残ってしまったことになる。
彼らは白騎士の誇りを傷つける聖姫アナスタシアの軍政改革に、不満を募らせることになる。
大司祭 ダカラン・カタラン 五十二歳
教会貴族の守旧派の代表格。
聖王国の北側に大領地を持つ侯爵でもある。
順序でいけば、宰相にもなれる重鎮ではあったが、聖姫アナスタシアの改革に反対したため除外され枢機卿(聖王国では国務大臣にあたる役職)にすらなれなかった。
彼ら守旧派の教会貴族も改革に不満を募らせることになる。
――北の帝国
皇帝 フリードリヒ・ヴェルダン 四十四歳
五百年続いたヴェルダン帝室の三十三代皇帝。
立派な口髭が自慢の皇帝。
期待をかけた息子がいまいち頼りにならないので、心労で髪が薄くなりはじめている。
闘神の加護
闘争に明け暮れ勝利に固執したため、最後の暗黒神ヤルダバオトの使徒となり世界の破滅の危機を招くこととなる。
皇太子 ゲオルグ・ヴェルダン 二十二歳
長い金髪の皇太子。
闘神の加護
――魔王と使徒
歓喜の魔王ボルヘス
アダル魔王国を治める、強大なる種族グリフィン族の長。
全ての欲望が叶う歓喜都市バッカンテの支配者でもある。
燕尾服を来た白い鷲頭の男。
くちばしを鳴らして相手をあざ笑うその性質は、慇懃にして傲慢。
正体は人化したグリフォン・ロードであり、魔族の一種である。
腐敗の魔王サムディー
アージ魔王国を治める、黄土色のローブを身につけたあらゆる種類のゾンビを統べるゾンビ・ロード。
そのピエロの仮面の下に隠された素顔は、腐れ果てた不滅の死人である。
この大陸では、ゾンビも魔族に分類される。
――アヴェスター十二神
闘争の神ヴォーダン
金髪金眼の派手な神。
黄金の鎧を身にまとい、闘神の大斧を持つ。
戦うことを至上とし、闘争の中でこそ人は進化するという信条を持つ。
英雄の神とキャラかぶりしており、転生者を取られて人気がないことを逆恨みしていた。
信者に最強の帝国を築かせて最強を誇っていたが、タダシが帝国を下して平和な世の中にしようとしていることに激怒して、暗黒神ヤルダバオトの提案に賛同して
北の帝国を中心に信仰されている。
歓喜の神ディオニュソス
淡い金髪の髪に鮮やかな花の冠をつけている。
その瞳は蒼く澄んでいて、半裸で歩き回っており、その姿はゴージャス。
歩くたびに美しい花々を撒き散らし、金杯についだ美酒を呑み美食を楽しんでいる。
常に歓喜に包まれていて笑顔の快楽主義者。
歓喜都市バッカンテのあるアダル魔王国を中心に信仰されている。
腐敗の神ゲデ
黄土色のヘドロにまみれた腐臭を漂わせる死神。
相当に醜いので、周りの神々から敬遠されている。
ゾンビを守護しており、その身に触れるものをみな腐らせる。
ただし、死と腐敗は生命の循環に必要なものであり、大地に根ざすその力は強大。
アージ魔王国を中心に信仰されている。
大海の神ポセイドン
長い白髪に髭の大男。その瞳は海のように碧い。
青色の大海の鎧に身を固めて、三叉の鉾(トリアイナ)を持つ恐ろしい神。
日本でも有名な荒々しい神だが、この世界では意外に立場が弱い。
自分の信者が帝国に支配されているため、闘争の神ヴォーダンには抵抗できず引きずられる形で
海の民を中心に信仰されている。
幸運の女神フォルトゥナ
ウエーブのかかった桃色の長い髪に、青い瞳をした大変美しい女神。
幸運、または運命を司る神で、自由都市同盟を中心に多くの信者がいる。
彼女の歓心を得たものが、勝者になるなどとも言われている。
しかし、意外なことに戦いに敗れてもしぶとく戦っている人々を好み、変わったところではアンブロサム魔王国での政争に負けた悪鬼達を守護してやったりもしている。
信者が帝国に支配されているため闘争の神ヴォーダンに従って
戦う男神たちの姿を、彼女は面白がって見ているようである。
運命の輪の付いた杖を持っている。
――タダシの親衛隊
ノエラ 親衛隊長 二十三歳
忠義心厚き、年若い島獣人の女隊長。
ノエラを始めとするカンバル諸島の島獣人百人と海エルフ百人からなるタダシの親衛隊は、最初の戦いの時から虎視眈々とタダシの新たな結婚相手の座を狙っていた。
戦乱で多くの男手を失い婿不足であったカンバル諸島だが、その後タダシ王国に移住民も押し寄せ、島の住人達はほとんどは結婚相手を見繕うことに成功していた。
しかし、彼女達だけは別の選択肢を取った。
魔族の女官達が百人以上嫁入りしたことで、カンバル諸島の島獣人や海エルフにも次の機会があるという噂を信じ、ずっと機会を待ち続けていたのだ。
最後の戦いで決死隊として志願することにより、タダシの「ご褒美を与える」という言質を取ることにようやく成功し、念願の嫁入りを果たすのだった。
――帝国海軍
イサム・ヤマモト 帝国海軍司令長官 五十六歳
初代皇帝が決めた風習により、代々海軍の司令長官は黒髪黒目の者に限り、就任と同時にヤマモトの姓を与えられる事となっている。
彼は、初代皇帝に愛された初代ヤマモトの家の出身であり、誇りある帝国海軍軍人として華々しい軍歴を経て司令長官にまで上り詰めた。
帝国では、十数代ぶりにヤマモト家がヤマモトになったと喜ばれていたが、その彼が最後の海軍司令長官になったのは皮肉であった。
――皇帝家一族郎党
長女 ガルシア 二十四歳
愚かな長男に取って代わって王太女となることを狙っていた野心家。
その野心に見合うだけの実力を有しており、全てを破壊する鎖のついた鉄球を振り回す豪快な性格。
得意技は、
次男 オズマ 二十一歳
紫色の髪に紫の目。線の細い優男。
皇帝家には珍しい頭脳労働タイプで前に出るのは苦手だが、策士としては有能。
得意な攻撃は、矢継ぎ早に魔法の矢を撃ち出す、
次女 ジョアンナ 二十歳
小柄な娘で、皇帝家には珍しい心優しき性格。
癒やしの魔法を得意とする回復術士。
しかし、一度戦場にでれば皇帝家の血が沸騰し、自分の身体の二倍もの大きさの
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