旅人
勝利だギューちゃん
第1話
ここは、とある港町。
とても雨の多い街。
そのために、住民はいつも傘を持ち歩いていた、
「ふぅ」
ひとりの男性が、ため息をついた。
「雨が多いとは聞いていたが、これほどとはな・・・」
彼の名は、アーネスト。
さすらいの旅人である。
街の片隅にある喫茶店で、彼は紅茶を飲んでいた。
客は、彼ひとり。
けっして、繁盛していないわけではない。
「お客さん、この街は初めてですか?」
「ええ」
マスターが声をかけた。
「どうぞ」
マスターは、紅茶を差し出した。
「頼んでいませんが」
「サービスです」
「ありがとうございます」
アーネストは、紅茶を口にした。
「驚かれましたでしょ?」
「ええ」
雨の事だとは、すぐに理解でした。
「お客さんは、これからどちらへ」
「次の町に向かいます」
「どの町ですか?」
「列車に乗って、気の向いたところで下ります」
「そうですか」
見知らぬ街で、知らない人との会話。
これも、楽しみのひとつだ。
アーネストは外へ出た。
雨は小降りなっていた。
「さてと、行くか」
アーネストは、駅へと歩き出した。
新たなる出会いを、求めて。
旅人 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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