終末の世界でも頑張って生きていきます!!

第1話赤髪の少女

魔法世界は突如、蔓延した

魔蝕と呼ばれる謎の感染症により

終末世界へと変貌した。 



     ***


『よし、これで大丈夫だな』


 俺は森の中で安眠する為、

テントの代わりになる物を作るのに草木などを使い

シェルターを作った。


 「シェルターはこれで完成として

 次は罠を仕掛けに行かないとな」


 密林の様な生茂る森を抜けると

目の前に透き通る綺麗な小川が現れた。


 「おおお! 水だ!」

 「この水なら飲めそうだな」


 俺は空になってるボトルを取り出し、川の水を汲み

渇いた喉を潤した。


 「ふぅ…これで良しだな」


 水を手に入れた安堵からか俺は深く溜息をしていた。


 「あとはシェルターに戻って火を焚いて今日獲れた肉を

焼くだけだな」


 俺は早く帰って美味い肉が食べたくて食べたくて仕方なく、

急いで帰宅する為、腰をあげた。


 暫く帰りの森を歩いていると森の奥から悲鳴が聞こえて来た。


 「誰か! 助けて!」


 少女の甲高い震えた声が森から響いてきた。


 「……なんだ?」


 反射的に悲鳴が聞こえてきた方へ向かう。


 ーーーどすん


 「?!」


 俺の胸に赤ピンク色のツインテールをして爽やかな甘い桃の様な香りをした夢

に出てきそうな可愛い少女が飛び込んできて俺はぶつかった反動で地面に倒れた。


 「……いてて」

 「たく、なんなんだよ……」


 そう言って立ち上がろうとした時ーーー


 ……むにっ


 この瞬間、今まで人生で触れた事のない

とても柔らかく、ハリのある謎の何かに触れてしまった。


 だがそれが何なのか俺は直ぐに理解をしたのだ


 俺が掴んだのは少女の膨よかな、その、おぱ……お胸様を鷲掴みしており

その瞬間俺は悟りを開く様に死を覚悟した。


(ああ…お疲れ今日の自分、来世ではまともに生きよう)。


『!!!』


 少女は顔が茹でタコの様に赤面しており

同時にめちゃくちゃお怒りのご様子だった。


 「いや、これは不可抗力だ!!」


 俺は今起きている事を全力で否定したが

効果はなさそうだ……。


 「この…この事は許してあげるから…早く私の後ろ

の奴を殺して!!」


 少女の叫びと共に木々の後ろから現れたのは

感染者通称ーーー鬣犬だ。


 俺が生まれる前にこの世界を絶望に変えた流行り病で

発祥地も特定出来てなく、感染した者は

魔力の異常暴走を起こし理性を失い鬣犬となって

問答無用で人を襲い始める。


 「おおおお」


 「たく、本当にこの世界は残酷だよ」


 そう呟いて自分の腰にぶら下げてるナイフを取り出し

鬣犬に近付き頭に突き刺しそのまま後ろに体重を乗せて

後ろに倒した。


 頭は奴等の唯一の弱点だ。


 「ううう…」

……バタッ


「お前、大丈夫か?」


 地面に座り込んでる少女に話かける。


 「ええ、助かったわ」


 「お前はこの辺に野営してるのか? 他に野良はいるのか?」


 野良っていうのは各々で野営地などを作り

野外で自給自足の生活している者達の事だ。 


 その為、鬣犬の生態にも詳しい。


 それにこんな世界だ。仲間と作戦を立てて俺の野営を

急襲しかねないしな。


 俺は警戒しながら彼女の次の行動次第では取り押さえようと

身構えた。


 「そんなに身構えなくても大丈夫よ。私一人だから。それに

今のあんたが殺した鬣犬は私の仲間だった奴よ」


 「じゃあ、お前の野営地は襲われたのか?」


 「ええ、皆んな鬣犬になったわ…仲間に噛まれた奴がいたの」


 少女は哀しげな顔を浮かべ膝を抱えて座った。


 「生き残ったのはお前だけなのか?」


 「多分ね」


 そう言うと少女は立ち上がり俺を睨んできた。


 おかしいな……俺なんか言ったのか?


 「あんた名前は?」


 こいつ、自分の名前を名乗る前に俺が先に名乗れって言って来たぞ

あり得んだろうが。


 「おい、普通は聞いて来たお前から名乗るべきだろ」


 「うるさい!!教えなさい!!さもないと殺すわよ」


 (うわうわ!! お嬢様かよこいつ! テンプレツンデレ娘じゃねーか!!)


 「俺はコクトだ」


 「あんた黒糖みたいな名前なのね」


 「やかましいわ!!」


 「私の名前はソニア。さっきのむ、胸の事は許してあげるから

貴方の野営を案内しなさい!!」


 なっ、なんなんだ…こいつ……。


 俺は彼女をただ呆然と見つめた。


 To be continued……?

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