復讐連盟

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プロローグ

毎日同じ夢を見る。

葵が元気に笑っていて・・・優しく俺を迎えてくれる夢・・・。


世の中は幸せであふれているから・・・泣かないで・・・・笑っていて・・・と愛おしい表情で俺に話しかける・・・。

もちろん自分でもそれが夢だとわかっていて・・・それでも葵を抱きしめようと手を伸ばすけれど・・・いつも抱きしめる寸前で葵は消えてしまう。

そんな夢を見続けている・・・。


冷静に考えて、もう心のどこかで生きることをあきらめてしまっているのだと思う・・・。

そのくせ自分で自分の命を絶つことはできない半端者で、葵が亡くなって・・・いや殺されてからもう2年以上も経つというのに、

未だに朝起きるたび頬が濡れている事を確かめては、ああ自分はまだ彼女を愛しているのだと・・・気持ちの悪い安堵感に浸ることで自分を満足させている・・・。


彼女が亡くなってからの1年は、彼女を殺した犯人を殺すことだけを考えて生きた。

だが警察から犯人逮捕の知らせは届くことがなく、事件発生から1年後、捜査は打ち切られ事件の迷宮入りが確定した・・・。


それからの1年はただ生きているだけ・・・いや・・・死んでいないだけの生活を送った。

息をし、食事をし、排便し、寝る。

それこそ人間失格な・・・そんな生き方だった。


そんな中かろうじて学校に通う事が出来たのは、事件が迷宮入りしあまりのショックで寝込んでしまった時、

寝込んでいた俺の横で両親が声を殺して泣いていたのが聞こえてしまい、こんな生き方をしてしまっている事への償いの気持ちがあったからだろう・・・。

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