転生したらいきなり事故って戻りました。

ささき

第1話 不慮の事故

夜遅くにコンビニ前の交差点でイヤホンを付けて信号待ちをする高校生が1人いた。


「この時間のコンビニ怖ぇなぁ……」


俺はそう言って肉まんの入ったコンビニ袋を手に、

コンビニ前にたむろしている不良達に声をかけられないよう祈りながら信号が変わるのを確認して歩き出す。

折角の冬休みの正月にも関わらず、連れ立って歩くような友達も居ない高校二年生の語部 奏太(かたりべ そうた)こと俺は取り出したスマートフォンで動画サイトを開き、お気に入りのアニソンを聞こうとした時だった。


「うぉっ……眩し……っ」


眩い光が右からしたと思った瞬間、体に衝撃が走り気づいた時には冷たいコンクリートの上に横たわっていた。


「……車!救急……!」

「お……逃げ……な!」


さっきの不良達の声が少しだけ聞こえてくる。

視界は定まらず、どこを見ているのか分からない。


「おい!……お前!」

「ぁああ……」


返事をしようにも上手く声も出せない。

視界に何かが写るが俺は分からず、それに向かって手を伸ばそうとした。


(なんか、本当にどうしようもない人生だったな……)


そう、ふと思った瞬間に俺の意識は暗闇へと引きずり込まれていった……。





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