あの人の事を忘れられないでいる私~幸せを掴むまで~

一ノ瀬 彩音

第1話 大好きだった人との再会

夕方17時。 恵梨香が喫茶店の中でコーヒーを飲みながら

親友である恵を待っているのでした。


しばらくしていると親友である恵が喫茶店の中へ入ってきて

私の事を呼んでくるのですが、それが恥ずかしくて私は

他人のフリをしているのです。


親友である恵は私の傍まで来て

「恵梨香、呼んでたのに何でお返事してくれなかったの?」


「あのね、お店の中で呼ばれてお返事する人なんていないよ」


「え~っ、お返事して欲しかったなぁ」


「ごめんね、恥ずかしくて他人のフリをしててね」


「そうだったのね、まぁ、私も呼んでごめんね」


私のお名前は白姫恵梨香シラヒメエリカ

年齢20歳です。


親友である恵は灰原恵ハイバラメグミ

私と同い年で20歳です。


恵とは学生時代からの親友で今でも親友としてお付き合いを

させて頂いてもらっています。


恵も私の隣の席が空いているので座ると店員が恵の近くまで来て

「ご注文はお決まりでしょうか?」


「はい、コーヒーでお願いします」


「かしこまりました」


店員はご注文を承ると奥の方へと消えていくのでした。


恵は私の方に振り向くと

「こうして会うのは久しぶりだよね」


「そうだね、久しぶりだね」


私と恵がこうして出会うのは数か月ぶりで本当に恵は

変わってないと思うのでした。


「20歳になって成人してさ、何か変わった事とかあるの?」


「私は特に変わってないし、今まで通りかな」


「私と一緒だね」


「それよりさ、恵梨香って学生時代に大好きな人がいたけど、

その人とはどうなったの?」


「えっ、どうしてそんな事を聞いてくるのよ」


「気になっててね、教えてよ」


私は学生時代に大好きな人がいたのは事実なんですけど、

その人とは結局、告白できずに終わってしまって

今どうしているかなんて知りません。


ただし、その人の事を忘れる事ができないのも事実でも

あって会えるのなら会いたいというのもあります。


忘れたいと思っても忘れる事もできないし、その人と

恋人になれるのならなりたいです。


「告白できないまま卒業したから………………」


「どうして告白しなかったの? あれ程、忘れないくらいに

大好きだったのに勿体ない」


「でもいいの、後悔はしてないしね」


「私は名前は知らないけど、恵梨香は知っているのでしょ?」


「知ってるけど、教えないよ」


「うん」


私が大好きで忘れないその人とは近藤雅也コンドウマサヤ

近藤雅也という人が学生の頃に大好きで告白が出来なかった。


今となっては何処で何をしているのか何て知りもしないので

どうしているのかなって程度しか考えていません。


そうしていると店員がトレーにコーヒーを乗せていて

それを恵が座っている席まで来ると、コーヒーをテーブルの上に

置くと店員は

「ごゆっくりどうぞ」


店員は会釈をしてから離れると私と恵はコーヒーを飲んでて

恵は唐突に声をかけてくるのです。


「もしさ、その忘れないでいる大好きな人と出会えたらどうするの?」


「出会うわけないじゃない、おかしな事を言わないでね」


「それもそっか、変な事を言ってごめんね」


「ううん、気にしないでいいよ」


恵とお話していると時間が経つのが早くて私は腕時計を見ると、

もう18時を過ぎていて帰宅しないといけない時間でした。


「恵ごめんね、そろそろ私帰らないといけないの」


「そうだね、会計を済ませて帰ろうか」


「うん」


私と恵は席を立って会計の所まで行くと、会計を済ませて店内から出ると

私は

「今日は久しぶりに会ってくれてありがとうね」


「こちらこそ、会えて嬉しかったよ」


「じゃあ、また機会があれば会おうね」


「うん、またね」


私と恵は久しぶりに会ってお話してましたが、とても有意義なお時間を

過ごせて私はとても楽しかったです。


自宅へと帰るために私は信号待ちをしているのですけど、一台の車が

こっちに突っ込んできて、一人の男性が私の事を突き飛ばしてきて

私は地面に倒れこんでいると、男性もどうやらなんともないという

感じに見受けられます。


私はゆっくりと立ち上がって男性の所へ歩み寄って行きますが、

男性の顔をじっくりと見ていると何処かで見たような顔を

しているのでした。


男性は

「俺の顔に何かついているのか?」


「ごめんなさい、じろじろと見てしまって」


「いやっ、気にしないでいい」


「助けて頂いてありがとうございます」


「気づいてなかったようだし、助けられてこちらも良かったよ」


「本当にありがとうございます」


この男性のおかげで私は交通事故に遭わなくて済んだと思うと、

本当に感謝しかありません。


それにしてもこの男性の事をじっくりと見ているけれど、何処かで

会ったというより知っている人によく似ている。


そんな時でした。


「あの、すいません、お聞きしたい事があるんですけど………………」


「何だ? 答えられる範囲なら答えるが」


「もしかして近藤雅也さん?」


「何で俺の名前を知っているんだ」


「知ってて当然ですよ、私のお名前は白姫恵梨香です」


「白姫恵梨香…………白姫恵梨香…………あっ、思い出したぞ」


「思い出してくれましたか?」


「ああっ、思い出した、恵梨香か、学生時代の時以来だな」


「そうですね、お久しぶりです」


「本当に久しぶりだな」


私は偶然にも学生時代の時に大好きで忘れる事ができなかった

近藤雅也さんと再会する事が出来ました。


きっと私は告白しようと決意するものの、本当に告白というのが

出来るかどうかもわかりません。


しかし、告白をしなければ何も始まらないのも事実なので

しっかりとしてやり遂げようと頑張ります。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る